ブドウ糖“だけ”を捕まえて光る超分子複合体の開発に成功しました

精確な血糖値測定系の開発に期待

理工学部物質生命理工学科の早下隆士教授 と鈴木陽太博士(日本学術振興会特別研究員PD)らは、早稲田大学と千葉工業大学の研究グループと共同で、環状オリゴ糖とシンプルな蛍光性分子の超分子複合体によって、水中でのブドウ糖(D-グルコース)の高感度・高選択的な蛍光認識に成功しました。本研究成果は、アメリカ化学会のACS Sensors誌に2022年12月20日付でオンライン上に公開されました。 さらにSupplementary Coverとして掲載される予定です。

ブドウ糖(D-グルコース)は血糖として体内に広く存在し、その精確な濃度の追跡や管理は、糖尿病の早期発見や治療のために重要です。しかしながら、体内には他の様々な糖も共存するため、精確なD-グルコースの濃度の測定にはD-グルコース”だけ”を見つけ出すセンサーの開発が要求されます。

本研究では、シンプルな蛍光性分子と環状オリゴ糖の超分子複合体が、D-グルコースを認識して水中で劇的な発光の増強を示すことを明らかにしました。この複合体はD-グルコースに対して非常に高い感度、選択性、そしてキラル選択性を示しました。今後、精確かつ簡便な血糖値測定法やキラル識別法の開発等への応用が期待されます。

研究成果の詳細については、プレスリリース全文をご覧ください。
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上智大学 Sophia University