生命誕生の講義を通して、命の大切さを伝える
7月12日、看護学科・助産学専攻科の光武智美助教が、千代田区立神田一橋中学校の生徒に「命の授業」と題した授業を行いました。これは千代田区と千代田区内の大学などの教育・研究機関が連携して調査・研究を行い、その成果を地域に貢献することを目的とした「千代田学」の一環として実施されたものです。
助産師資格を持つ光武助教は、生命の誕生についてスライドやクイズ、胎児人形などを用いて説明を行いました。「およそ3億分の1という奇跡的な確率で生命が生まれること、また先祖代々どこが途切れても自分たちの命に繋がってこなかったことを考えると、皆さんの命の大切さを改めて実感できるのではないでしょうか」と生徒に語りかけました。
また、妊娠週数ごとの重さと大きさを再現した羊毛フエルト製胎児人形の抱っこ体験では、「思ったよりも重たい、お腹に抱えるって大変だろうな」「自分にもこのような時期があったんだ」などの興味深そうに話す生徒たちの姿が見られました。
授業後、生徒の代表者から「胎児人形を抱っこして、小さかったけど重くて命の重さを感じた。3億分の1の確率をくぐりぬけて生まれてきたことも知り、もっと自分や友達のことを大切にできると思う」という感想が聞かれました。自分自身や他人のかけがえのない命の大切さについて思いを巡らせる貴重な機会となりました。
光武助教は「胎児人形を抱っこする生徒さんの表情は柔らかで、自分や周囲の人々の『いのち』について想像している様子がありました。人が生まれ育つという過程に触れる体験の少ない現代の子どもたちには、意図的に『いのち』について学ぶ環境を整える意義があると改めて思いました」と振り返っています。