10月8日(月)、2号館1階のカトリックセンター内多目的ホールにおいて、イコン画家の鞠安日出子(まりあ ひでこ)さんの講演会「イコンに魅せられて」が行われました。教職員や一般の方約70人が参加し、ホールが満員となりました。
鞠安さんは、長野県生まれ。東京学芸大学美術科卒業後に創作活動に入り、これまで日本美術院展に2回入選、春の院展には6回入選するなどし、今なお活躍中の画家・イコン作家です。
「イコン」とは、イエス・キリストや聖人、聖書に登場する重要な出来事を画いた絵画のことです。鞠安さんは1992年からイコンを描き始めました。最初は上手に描けなかったが、ある時、イコンを扱った図書をずっと眺めていたところ、「神様のお顔はこうだ」と閃き、それがイコンを精力的に描くきっかけとなりました。また、イコンは修道者が描くものと思っていたので、主婦の自分が描いて良いのかと躊躇したが、描いていくうちに誰もがイコンの世界を描いてよいのだと確信されたそうです。
鞠安さんは、「聖書は『神の世界』を文字で伝えるものだが、イコンはそれを絵で伝えるもの」と捉え、「イコンを描くことは、自分自身の祈りに通じること」と語りました。また、描きあがったイコンにご自身の署名を入れない理由は、イコンが完成した時点で「神の世界」のものとなるが、署名という「この世のもの」を神の世界に持ち込んではいけないと考えているからだそうです。さらに、ご自身が描かれたイコンの前に立って、それぞれのイコンをどのような技法で、どのような心持ちで描いたかを、聴衆にわかりやすく説明しました。
最後に、「イコンに魅せられたということは、神様に魅せられたということ。神様が自分のことを考えてくださり、自分にイコンを描かせてくださった。イコンを描いているときが一番の至福である」と語りました。講演会の後も、参加者の質問に答えるという形で交流の時間をもつことができました。
「鞠安日出子 イコン・日本画展 イエス・キリスト物語」は、10月13日(土)正午まで、2号館1階エントランスロビーおよびカトリックセンターで開催中です。
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