基盤教育センターが提供する「データサイエンスプログラム」は、特定の学部を対象とせずすべての学生が履修可能なプログラムで、指定された科目群を習得すると修了認定証が与えられる上智大学の独自制度です。現在は第4次産業革命の只中にあり、狩猟社会、工業社会、情報社会に続く、人間中心の超スマート社会Society 5.0に向けて大きく社会が変化しています。そのような変化に必要なデジタル社会の「読み・書き・そろばん」である「数理・データサイエンス・AI」に関する知識や技術、倫理などについて体系的に学び、学生が所属する学部の学びと並行して履修することで、自身の専門分野や希望するキャリアにあった力を養うことが可能です。

データサイエンスプログラムにはスタンダードコースとアドバンストコースがあります。スタンダードコースの科目は文部科学省の数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(MDASH)リテラシーレベルおよび応用基礎レベルの認定を受けています。

スタンダードコース

MDASHリテラシーレベルの認定を受けている全学共通科目(必修)「データサイエンス概論」と、MDASH応用基礎レベルの認定を受けている指定全学共通科目(選択)3科目(「データサイエンスとデータエンジニアリングの基礎」「人工知能基礎」「データサイエンスと人工知能の実践」)の単位を修得すると、データサイエンスプログラム(スタンダードコース)の修了が認定されます。

※ 一部学科では要件が異なる場合があります。

「データサイエンス概論」は現代社会における仕事や生活の中で、データがどのように利用されているか、どのような活用方法があるか、課題は何か、ということなどについて学生が理解することを目的として、2020年度に全学共通科目の選択科目として開講しました。2022年度からは全学必修科目となり、すべての1年生が受講しています。「データサイエンス概論」はデータサイエンス科目群の中の導入科目として位置づけられており、発展科目によってこの科目で学んだ内容をさらなる学びにつなげていきます。

<特徴1> 入門ではなく概論

入口となる基礎的な知識ではなく、データサイエンスの全体像を把握します。日常生活、ビジネス、公共政策など、さまざまなシーンでAI・データサイエンスが利用されていることを、実際にAI・データサイエンスを業務に活用している外部企業との連携で「データサイエンス概論」のために共同開発した動画教材を使って学びます。

<特徴2> 高校数学の知識不要

統計学・データマイニング・機械学習で利用される手法を幅広く学びます。それぞれの手法の数理的な理解よりも、どのようなときに利用され、分析結果がどのように活用されるのかを学ぶことを目的としているため、「データサイエンス概論」の履修には高校数学の知識を前提としていません。文系の初学者にとっても学びやすい内容です。

<特徴3> 文理の区別なし

「法と倫理」の問題など、学問分野を問わず、データサイエンスに関連する重要なテーマへの理解を深めます。個人情報保護法や、OECDガイドライン、EUデータ保護指令、消費者プライバシー権利章典、GDPRといったデータを取り巻く国際動向や、情報漏洩、データバイアス、アルゴリズムバイアスといった負の事例などについて学びます。

<特徴4> 学修管理システムによる学修成果の可視化

学習管理システム(LMS; Learning Management System)を活用して、動画教材の視聴や講義資料の閲覧、授業に対するコメントや質問、課題の提出・フィードバックなどを行っています。これらはLMS上に蓄積され、自分の学修の成果をいつでも振り返ることができます。

データエンジニアリングの基本的な概念と手法を、様々なデータを用いて学ぶ科目です。分析や可視化の手法、ビッグデータの活用事例、AIプログラミングなどを学びます。

AIの様々な技術、アプリケーションや機械学習の基礎を学びます。AIの歴史から社会問題と今後の発展、深層学習の基礎まで、幅広いトピックを文系の学生でも理解しやすく整理した科目です。

ツールやプログラミングを活用した実際のデータ処理を行い、ここまでで学んだ基礎知識を実際のデータ処理や分析に活用する科目です。Pythonを用いた演習に取り組み、自身の専門分野にも適用することを目指します。

アドバンストコース

スタンダードコースの要件を満たし、さらにアドバンストコース指定科目から8単位以上修得すると、データサイエンスプログラム(アドバンストコース)の修了が認定されます。

アドバンストコース指定科目(例)

  • データ活用と人間行動
  • データサイエンスと地域コミュニティ
  • 情報化社会と情報倫理
  • 情報と産業
  • AI革命後の社会と仕事原理
  • 情報フルエンシー(予測分析)
  • 情報フルエンシー(Pythonプログラミング)
  • 情報フルエンシー(情報科学と人間)
  • データ活用と経営戦略(データサイエンス基礎)
  • ビジネスデータ分析理論(データサイエンス基礎)
  • アナリティックスによる事業戦略(データサイエンス応用)
  • データサイエンス実践:実践型データ分析演習
  • データエンジニアリング
  • データ加工入門

上智大学 Sophia University