理工学専攻機械工学領域

「ものづくり」のための基盤研究・応用研究

今日の日本の繁栄は世界一流の工業のおかげであることが改めて認識されています。その産業で重要な役割を担っているのが機械工学です。

機械工学はあらゆる産業の原点であり、すべての産業は機械工学なしには考えられません。この機械工学を担う人材を育成することが機械工学領域の目的です。

カリキュラムの特徴

博士前期課程では高度な科学文明社会に対応できる専門職業人を、博士後期課程では優れた研究者を養成します。材料力学、機械力学、熱工学、流体工学、精密工学、制御工学、材料科学など機械工学の各分野を専門とする教員からなる領域です。

各教員は、ものづくりをキーワードとして機械工学にかかわる最先端の研究を進めています。機械工学領域では日本の「ものづくり」の優れた技術者と研究者を育成していると確信しており、機械工学領域を修了した研究者は非常に幅広い分野で活躍しています。

授与学位

  • 博士前期課程:修士(工学)
  • 博士後期課程:博士(工学)

取得可能な教員免許・免許教科

  • 中学校専修(数学/理科)
  • 高等学校専修(数学/理科/工業/情報)

※教員免許が取得できる専攻は、博士前期課程に限ります。また、1種免許状を取得済、あるいは1種免許状取得要件を満たしている教科のみ取得可能で、必ずしも全教科取得できるわけではありません。

機械工学領域の特色

優れた研究

教員は日本機械学会のみならず、幅広く数多くの学会で活躍しており、科学研究費補助金のほかにも各省庁の競争的資金を獲得し、世界に並ぶ研究を行っています。

ハードからソフトに対応する技術者・研究者の育成

アジア各国から多数の留学生を受け入れており、演習などにおいても国際的な視野に立った討論や分析・検討が日常的に行われています。多くの卒業生が国内外の高等機関、国際機関、大学などで活躍しています。

修了生の最近の主な研究テーマ

  • XFEM によるクラッド鋼CT 試験片の疲労き裂進展解析
  • CFRP 積層板のCAI 強度評価に関する数値解析手法の研究
  • 頭部外傷解析のための頭部有限要素モデルの開発
  • 脳損傷解析における交通事故時頭部複数回衝撃の再現手法に関する研究
  • ゴルフのスイング動作解析によるクラブの評価指標の構築
  • 前庭感覚系を考慮した簡易人体モデルの開発
  • 火災旋風の非定常特性に関する数値解析的研究
  • 気道モデル内の粒子輸送に対する吸入条件及び粒子径分布の影響
  • カーボンフリーな社会に向けたアンモニア燃焼エンジンの開発およびCFD 解析
  • 扁平型フィン付きヘリカルサブクールコンデンサーの研究開発
  • エンジン冷却水路内の強制流動核沸騰熱伝達に関する実験的研究
  • エンジン筒内の冷却損失予測モデルの開発および制御器への実装
  • ハイブリット自動車のエネルギ最適化のための学習アルゴリズム構築
  • MaaS に向けたシステム最適化と学習理論に関する研究
  • 合流中の車速パターン最適化とエネルギーマネジメントを統合したHEV の階層的制御器の研究
  • エンジン駆動パワーの調整による燃費最適なPnG 方式の検討
  • 複合組織型自動車用高強度鋼の水素脆化に関与する因子の検討
  • 焼戻しマルテンサイト鋼の水素存在状態と水素脆化き裂の発生・伝播挙動に関する研究
  • 積層造形した医療用金属材料の微細構造制御と強度・破壊・疲労特性に関する研究
  • 変形性膝関節症や前十字靭帯断裂などの予防や再建に関する工学からのアプローチ

教育の方針

博士前期課程

本領域では、機械工学および関連分野の発展に寄与し、専門知識を用いて人間社会の発展や地球環境の保全に貢献できる人材の養成を目的に、学生が修了時に身につけるべき能力や知識を次のように定めています。修了要件を満たし論文審査に合格すれば、これらを身につけたものと認め、学位を授与します。

 

  1. 自分の専門分野以外の自然科学分野あるいは社会科学分野との学際分野も含め広範に学ぶことにより、技術が人間社会や地球環境に与える影響などを多面的にとらえる力
  2. 機械工学および関連分野において最先端で活躍できる専門知識を身につけるとともに、新技術の開発や新分野の開拓をできる力
  3. グローバル化の進展に対応するため、社会で活躍できるレベルの英語力
  4. 自分の専門分野および関連する分野の先行研究を十分にふまえ、オリジナリティのある自分の研究を通して、学術的に構成された論文を執筆できる力

博士後期課程

本領域では、機械工学における高度な専門性を身につけ、人間社会や地球環境に与える影響を総合的にとらえる学際性を持ち、自立して研究開発を遂行できる人材の養成を目的に、学生が修了時に身につけるべき能力や知識を次のように定めています。修了要件を満たし論文審査に合格すれば、これらを身につけたものと認め、学位を授与します。

 

  1. 自分の専門分野だけでなく、関連する学際分野なども含め広範に学ぶことにより、技術が人間社会や地球環境に与える影響を多面的にとらえる力
  2. 機械工学および関連分野において最先端で自立的に活躍できる専門知識を身につけるとともに、人類の発展や幸福に寄与する創造的な研究開発を行う力
  3. グローバル化の進展の先頭に立ち、国際社会にて独立して活躍できるレベルの英語力
  4. 高度な専門知識を活かして自立して独創的な研究を行い、国際的なレベルの学術論文を執筆し、学術に貢献できる力

博士前期課程

機械工学および関連分野の発展に寄与し、人間社会の発展や地球環境の保全に貢献できる力を涵養するため、機械工学領域や他領域の科目を受講し、研究指導を受けさせる。

 

  1. 機械工学領域以外の領域、および理工共通領域の科目を受講することにより、自分の専門領域以外の分野について広く知識を得させる。
  2. 機械工学領域が提供する材料力学、機械力学、熱工学、流体工学、精密工学、制御工学、材料科学、物理学、数学などに関する科目を受講し、これらについて専門知識を得させる。また、それらを基礎とした特定のテーマについて研究を行い、このテーマと周辺について深い専門知識を得るとともに、研究の進め方、まとめ方、研究倫理などを学ばせる。
  3. 科学技術英語や英語で行われる科目の受講、研究成果の英語発表、英語論文の執筆などにより、英語力を向上させる。

博士後期課程

機械工学における高度な専門性と関連分野の広範な知識を有し、自立して研究開発を遂行できる力を涵養するため、演習を受講し研究指導を受けさせる。

 

  1. 自分の専門分野以外の学際分野などの学術論文や解説書などを精読することにより、これらの分野について広く知識を得させる。
  2. 自分の専門分野において教員の研究指導を受けながら集中して研究を遂行し、このテーマと周辺について深い専門知識を得るとともに、研究の進め方、まとめ方、研究倫理などを学び、研究の集大成として博士論文を提出させる。
  3. 得られた研究成果を国内外にて英語で発表し、また英語論文を執筆投稿し、必要に応じて海外の研究機関にて研究を行い、これらにより英語力を積極的に向上させる。

博士前期課程

本領域は、次のような資質を持つ学生を求めています。

 

  1. 機械工学分野で勉学を行い、研究を遂行することに意欲的である学生
  2. 機械工学分野で勉学を行い、研究を遂行するために必要な材料力学、機械力学、熱工学、流体工学、精密工学、制御工学、材料科学、物理学、数学などに関する基礎学力を有している学生

博士後期課程

本領域は、次のような資質を持つ学生を求めています。

 

  1. 機械工学分野にて、自立して創造的な研究開発を遂行することに意欲的である学生
  2. 機械工学分野にて、自立して創造的な研究開発を遂行するために必要な専門知識と英語力を有している学生

教員一覧

一柳 満久 教授

高井 健一 教授

竹原 昭一郎 教授

曄道 佳明 教授

長嶋 利夫 教授

久森 紀之 教授

Edyta DZIEMINSKA 准教授

田中 秀岳 准教授

張 月琳 准教授

渡邉 摩理子 准教授

Emir YILMAZ 助教

曹 文静 助教

上智大学 Sophia University