タイ・バンコクにおいて事業会社設立を記念したシンポジウムを開催

7月12日(金)、ASEAN地域における本学の拠点業務を担うために、タイ・バンコクに設立された事業会社Sophia Global Education and Discovery Co., Ltd.(以下、Sophia GED)の開設記念シンポジウムをバンコクで開催しました。

挨拶する曄道学長

本シンポジウムは、本年4月にタイ会社法に基づき会社登記され、5月より本格稼動しているSophia GEDの事業概要をASEAN地域における本学の戦略と併せて現地の教育関係者に紹介するとともに、海外、特にASEAN地域で大学の拠点が担うべき役割や可能性について広く議論することを目的としたもので、当日はバンコクに拠点を置く日本の大学関係者、タイの協定校、政府系機関、企業、団体等の現地教育関係者を中心に約80名が来場しました。

冒頭、主催者を代表して曄道佳明学長が挨拶し、本学のグローバル教育の展開とともに、事業会社の設立を通じて本学が目指す人材育成の方向性について説明しました。続いて、在タイ日本大使館や、イエズス会タイ地区長で本学と連携協定を有するXavier Learning Communityの運営代表者であるAgustinus Sugiyo Pitoyo神父からも祝辞と期待が述べられました。

基調講演では、青柳茂UNESCOバンコク所長から「Future of Higher Education as Life-Long Learning Process in the Era of SDGs and Beyond」というテーマでお話いただきました。青柳所長は、世界の教育に関する具体的なデータを示しながら、生涯教育における高等教育の位置づけの変遷、産業構造の変化により高等教育で学ぶ内容、スキルにも変化が生じている経緯を説明。また、AIなど科学技術の進化によって、人の仕事が奪われる可能性が高まる中、高等教育機関でAIと人間教育が融合している好事例を示しながら、質保証、ラーニングアウトカムに留意しながら、高等教育のあるべき姿について問題提起を行いました。さらに、教育目標の方向性として、本学も意識するSDGsが高等教育の重要なキーワードとなり、生涯教育プロセスとしての高等教育の位置づけを変えていくことで、初中等教育の改革にも繋がっていくと述べました。

続いて、Sophia GED代表を兼務する廣里恭史グローバル教育センター教授及び本学職員が登壇し、本学のスーパーグローバル大学創成支援事業における海外拠点の位置づけと課題、Sophia GEDの事業概要と計画、設立の経緯、留意点について説明しました。その中で、廣里教授はSophia GEDの代表の立場から、同社のビジョンとして、各機関との協働による質の高い、魅力ある教育・研修プログラムを提供することによって、東南アジアにおけるグローバルな学習コミュニティーの創設を目指していくことを強調しました。

その後、「What Universities’ Overseas Offices Can Do」と題したパネルディスカッションでは廣里教授がモデレーターを務め、京都大学ASEANセンターURAの園部太郎氏、Nopraenue Sajjaraxマヒドン大学副学長、Dy Sam Sidethカンボジア教育省局次長、Arthpol Vithayakritsirkulカトリック・ビジネス・エグゼクテイブグループ代表が登壇し、長年バンコクをベースに活動を行う拠点、タイの大学、ASEAN教育界、民間企業というそれぞれの立場から、ASEANや地域の高等教育において大学拠点が果たす役割について活発な討論を行い、多様な事業を計画しているSophia GEDに対して多くの期待が述べられました。

シンポジウムの最後には、サリ・アガスティン上智学院総務担当理事が挨拶し、Sophia GEDの活動を通じて日本やASEANの教育におけるニーズに応えていきたいとの決意が伝えられました。

今回のシンポジウムはSophia GEDの今後の事業計画、可能性を広く示すとともに、本学のASEAN戦略についても現地の様々な教育関係者にアピールする好機となり、今後の本学、及びSophia GEDの現地での活動に資するものとなりました。

上智大学 Sophia University