・ 発熱性物質であるエンドトキシンに対して瞬時に蛍光色が変化する分子の開発に成功 ・ 独自に開発した連続流れ分析装置と組み合わせることで、1時間36サンプルの高速測定が可能に ・ 医薬品製造現場でのエンドトキシン濃度の連続監視装置としての社会実装に期待
上智大学理工学部物質生命理工学科の早下 隆士 教授と橋本 剛 教授、同大学大学院 理工学研究科および野村マイクロ・サイエンス株式会社の木本 洋 氏、埼玉大学の鈴木 陽太 助教らの共同研究グループは、発熱作用をもたらす細菌由来の毒素”エンドトキシン”を認識する蛍光性分子をデザインして、迅速かつ簡便なエンドトキシン測定法を確立することに成功しました。本研究成果は、アメリカ化学会のAnalytical Chemistry誌に2023年7月31日付でオンライン上に公開され、Supplementary Coverに選出されました。
エンドトキシンは人の血液中に混入すると発熱や免疫の過剰反応をもたらすことから、注射用水や非経口薬に対して厳しい濃度管理基準が設けられています。しかし、現在の測定法は分析にかかる時間が1時間程度と長いことから、注射用水製造現場などでのリアルタイムモニタリングに適していないことが問題でした。
本研究では、エンドトキシンと反応する蛍光性分子を用いることで、サンプルと混合後1秒以内に発せられる蛍光シグナルを検出し、ごく微量のエンドトキシンを検出することに成功しました。さらにこのとき二波長の蛍光強度の比が変化することを利用し、独自に開発した二波長検出型の連続流れ分析装置を用いることで、1時間36サンプルの高速測定が可能となりました。今後、本技術を応用し、医薬品製造現場でのエンドトキシン濃度の連続監視装置として社会実装されることが期待されます。
Analytical Chemistry
High-Throughput Analysis of Bacterial Toxic Lipopolysaccharide in Water by Dual-Wavelength Monitoring Using a Ratiometric Fluorescent Chemosensor
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.analchem.3c01870
木本 洋(上智大、野村マイクロ・サイエンス)、高橋 萌香(上智大)、益子 征景(上智大)、佐藤 海(上智大)、平原 裕也(上智大、野村マイクロ・サイエンス)、飯山 真充(野村マイクロ・サイエンス)、鈴木 陽太(上智大、埼玉大)、橋本 剛(上智大)、早下 隆士(上智大)* * 責任著者
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【本リリース内容に関するお問い合わせ】上智大学 理工学部 物質生命理工学科教授 早下 隆士e-mail:ta-hayas@sophia.ac.jp
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細菌毒素”エンドトキシン”の迅速測定法の確立に成功しました