大学院応用データサイエンス学位プログラム修士課程2年の立花れい菜さんが統計データ分析コンペティション2025で審査員奨励賞を受賞しました。
この賞は、高校生、大学生等の統計の有用性への理解と統計データの利活用拡大のため、総務省、独立行政法人統計センター、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構統計数理研究所及び一般財団法人日本統計協会の共催で行われたコンペティションの賞です。
立花さんは今回の受賞に際して「このような賞をいただきを大変光栄に思います。本研究ではデジタル教科書が学力に与える影響を明らかにし、学習者用デジタル教科書を効果的に活用するためには、その教科の中で機能する領域を見極め領域別の特性に応じて「紙」と「デジタル」を適切に使い分けながら活用範囲を設計する能力を教員が身につけることが重要であると考察・提言しました。今後も本研究のように政策判断の材料となる研究を続けていきたいです。」と語っています。
- 学会名:統計データ分析コンペティション 2025
- 賞 名:審査員奨励賞
- 論文タイトル:デジタル教科書は学力にプラスかマイナスか?:機械学習×SHAP 解析による検証
- 受賞者:立花れい菜
- 受賞日:2025年10月20日
- 指導教員:深澤佑介(応用データサイエンス学位プログラム 准教授)
- 関連サイト:統計データ分析コンペティションウェブサイト
研究目的
近年デジタル教科書の導入が進められているが、一方で課題も指摘されている。本研究では、学習者用デジタル教科書の整備率が学力に与える影響を明らかにすることを目的とし、あわせて指導者用デジタル教科書の整備率や教員のICT研修受講率などの関連要因についても分析した。
研究内容
パネルデータを用いて予測モデルを構築し説明可能なAIの手法であるSHAPを適用することで各要因が学力に及ぼす寄与度を解釈可能な形で提示した。小学校モデルでは学習者用デジタル教科書の整備率が負の寄与を示し、中学校モデルにおいては国語では正の寄与を示した一方、数学では負の寄与を示した。