地球環境学研究科地球環境学専攻 博士後期課程2年のLI LEIさんが公益財団法人令和環境財団の令和7(2025)年度学術研究助成に採択されました。
この助成は、公益財団法人令和環境財団によって授与されるものであり、日本国内の博士課程に在籍する大学院生を対象としています。環境分野における挑戦的かつ先進的な学術研究を奨励し、将来的に研究分野や関連産業において活躍が期待される若手人材を支援することを目的としています。
LI LEIさんは今回の採択に際して「本研究では、日本の都市空間構造の変化が炭素排出に与える影響を、地理空間データとAI技術を用いて分析します。今回の助成を励みに、低炭素な都市づくりに資する政策提言の創出を目指して、研究に一層励んでまいります。」と語っています。
- 学会名:公益財団法人令和環境財団
- 助 成:令和7(2025)年度学術研究助成金
- 論文タイトル:日本における都市空間形態の変化が炭素排出に与える影響メカニズムの解明
- 受領者:LI LEI
- 採択日:2025年7月31日
- 指導教員:銭 学鵬(地球環境学研究科 教授)
研究目的
日本の都市が外向きの拡張から内部再開発へと移行する中で、空間形態と排出量の関係を理解することが極めて重要になっています。本研究は、都市のコンパクト性、分断性、連結性といった空間形態が炭素排出にどのような影響を及ぼすかを探求することを目的としています。これらの関係性を明らかにすることで、低炭素な都市計画を支援し、日本の都市変容に応じた最適な空間戦略によって、カーボンニュートラルと持続可能な発展の実現に貢献することを目指します。
研究内容
本研究では、衛星データ、空間統計学、そして最新の機械学習手法を用いて、都市形態と炭素排出の関係を探究します。使用する主な指標には、都市のコンパクト度、土地利用の分断化の程度、道路ネットワークの連結性などが含まれます。また、異なる都市発展パターンに基づいたシナリオシミュレーションにより、将来の炭素排出を予測する予定です。本研究は、日本の都市における炭素削減のための空間計画に対して実用的な示唆を提供することを目指しています。