最初の一歩が大きな前進へ。学科の学びが議論に活きたオーストラリア・サミット

■名前:溝口 紗郁
■学部学科・学年(留学当時):経済学部経済学科2年
■留学時期: 2025年2月中旬(1週間ほど)
■留学先(国・大学):日本開催
開催場所が年度によって異なり、2025年度はオーストラリアの学生が来日し共同でプログラムを行いました。
■留学形態:実践型プログラム / オーストラリア・サミット・プログラム

上智大学では毎年多くの学生が日本を飛び出して世界各国に留学しています。言語、文化、生活習慣の違いを乗り越えた先に見えたものとは。留学した学生たちの声を集めました。

プログラムに参加しようと考えたきっかけは何ですか。

大学生のうちに海外に行ってみたいと思い、大学2年生の夏にインドネシアで開催された「グローバルリーダーシッププログラム」という実践型プログラムに参加しました。そのプログラムでの海外学生との交流が本当に楽しかったことと、もっと実践的な英語力を伸ばしたいと思ったことをきっかけに、春期休暇は「オーストラリア・サミット・プログラム」に応募しました。

プログラムはどのように選びましたか。

他大学の学生と交流できること、部活のオフ期間中に参加できること、金銭面の負担が少ないことなどを条件に探していました。このプログラムはオーストラリアの学生とその年のテーマについて議論できると同時に、プログラム期間中には一緒に東京を観光したり、夕飯を食べに行ったりと交流できる場面も多く、自分の希望にぴったりでした。私が参加した年のテーマは、難民・亡命・移民についてでした。

プログラム前に不安に感じていたことはありますか。

テーマについてネイティブと英語で話し合う必要があったため、自分の英語力で乗り切れるかとても不安でした。英語力に関しては不足している部分が大きかったので、同じ上智大学からの参加者や、オーストラリアの学生の力も借りることでなんとか乗り切ることができました。

プログラム参加のために準備したことはなんですか。

英語の勉強はもちろん、設定されたテーマについて自分の意見を英語で話せるよう事前に予習しました。ちょうどプログラムの初日に1人10分の発表をする必要があったので、その準備がとても役に立ちました。事前に先生方にプレゼンテーションをチェックしていただける機会があったので、その際の講評を参考に、じっくり内容を見直し、反復練習を行ったのはその後のプログラムに活きたと感じています。

大学や学生の雰囲気はどのようなものでしたか。

プログラム期間中に夕食を一緒に食べに行きました

オーストラリア国立大学の学生は、必修で法学の知識を学び、それらにプラスする形で各々の興味に合わせた専門分野を学んでいる点が特徴的でした。今回のテーマについて話し合いを行う中でも、政治的な視点を私たちよりも強く持っていると感じる部分がありました。

最も印象に残っている出来事は何ですか。

浅草に観光に行きました

オーストラリアの学生と議論していった過程が最も印象的です。私が参加した際のテーマの一つは「移民」問題だったのですが、オーストラリアと日本では歴史的背景が異なるため、自分の本音を伝えた際にどのような反応が返ってくるのか最初は少し怖かったです。ですが、実際に話してみると、そもそも多様な意見に対して寛容な姿勢を持っている学生ばかりでしたし、私と似たような意見を持っている人もいたのが驚きでした。事前にニュース等で調べていただけでは分からなかった、オーストラリアに住む人たちの実際の感覚を知ることができたのが嬉しかったです。

プログラム参加の前後で比較して、成長できたと実感する点や意識が変わった点はどこですか。

まず一つ目は、現状を分析したうえで、自分の立場を決めるという経験を積むことができました。決して簡単ではないテーマについて考えるにあたって、現状の政策や世論について調べるだけでなく、それに対して自分はどのような意見を持っているのかまでじっくり考えることができました。何か一つの立場を取ろうとすると、もう一つの立場をとった際のメリットを捨てることになるかもしれませんが、そこであえてどちらの立場を取りたいのかを考え、優先順位をつけておくことは、議論に臨むうえで本当に重要だったと感じています。

二つ目は英語力・コミュニケーション能力です。プログラム自体は一週間でしたが、その前後も授業でプレゼン準備を行うなど充実していました。プログラム期間中は、ほとんどのコミュニケーションが英語でしたので、少しではありますが自分の英語力を伸ばすことができたと感じています。英語を勉強するモチベーションの向上にもつながりました。また、単なる英語力だけではなく、いかに自分自身や、自分が発する言葉・意見に興味を持ってもらうのか、ということも重要だという気づきがありました。

三つ目は、所属している経済学部での学びを実感することができました。普段大学生活を送っているだけでは、学びが実際に身についていることを感じる機会はほとんどなかったのですが、プログラムでの他学科の参加者のプレゼンと自分のプレゼンを比較してみるとテーマについて着目しているポイントが異なっていて、それは学科での学びが物事について考えるときの姿勢に影響を与えているんだろうと、自らの学びの定着を実感できました。

プログラムへの参加経験は今後の人生にどう影響しそうですか。

総括すると、入学時には想像していなかったような様々な繋がりを得ることができたと感じています。

2年生の夏にインドネシアに行くプログラムに参加したことをきっかけに、2年生の春には今回のプログラムに挑戦し、3年の夏休みにはご縁があって上智開催のイベントでボランティアを行い参加者の学生と交流しました。さらに、3年の秋学期にはSOFEXという他のプログラムに参加するなど、初めに挑戦したことが徐々に繋がり、気づけば1年生のときには想像していなかったほど色々なプログラムに参加しています。プログラムでの友達や、教授の方々との出会い・繋がりは、今も刺激になっています。ここで得たつながりを大切にしながら、これからも興味を持ったことに積極的に挑戦していきたいです。

留学に行こうか迷っている人に一言

短期のプログラムは、長期の留学よりは気軽に参加できるという意味で、第一歩として参加するのにぴったりだと思います。また、長期の留学が難しい場合でも、短期のプログラムにいくつか参加することで、普段の大学生活と両立しながら継続して自分の成長に繋げていくこともできます。

上智大学には本当に色々なプログラムがあるので、自分が短い期間で何に取り組みたいのかを考えて探してみてください。応援しています!

上智大学 Sophia University