「なんとなく海外」の先が見えたイギリスへの短期留学

上智大学では毎年多くの学生が日本を飛び出して世界各国に留学しています。言語、文化、生活習慣の違いを乗り越えた先に見えたものとは。留学した学生たちの声を集めました。
プログラムに参加しようと考えたきっかけは何ですか。
中学生の頃から漠然と海外での経験を積みたいと考えていたのですが、大学に入り、英語能力の向上と、自分自身を未知の環境に置くことで得られる人間としての成長を目的に、留学を決意しました。
留学先(国・大学)はどのように選びましたか
語学の勉強だけでなく、より専門的で学術的な内容も学びたいと考え、興味のある分野が法律や国際関係に関するものだったため、選択肢のなかでそのようなコースがある大学及び国を選びました。
留学前に不安に感じていたことはありますか。
授業内容についていけるほどの英語力が備わっていないと自覚していたため、その点は不安に感じていました。いざ留学してみるとなんとか食らいついていけました。生活の面では、初めて経験する寮生活というほぼ一人暮らしの環境になるため、やっていけるか不安でしたが、こちらもなんとかやり遂げました。
留学のために準備したこと、また、しておけばよかったと思う事はなんですか?
勉学に関しては、特に準備したことはありませんが、受講するコースの内容の予習を日本語で行うことをお勧めします。学部で学んでいる内容と異なるコースを選ぶ場合には、必須かと思われます。生活に関しては、延長コードやプラスチックの食器類、シーツを持っていきました。
大学や学生の雰囲気はどうでしたか。

街に溶けこむように位置していたため、格式張らず落ち着いた雰囲気の大学でした。学生に関しては、短期研修のコースには日本人がほとんどではありましたが、意欲の高い学生も多く切磋琢磨できました。国際大学のため、コース外には様々な国籍の学生が在籍していました。ディスカッションやグループワークで一緒になった人に、講義が終わった後声をかけたり、席が近くなった人に話しかけたりなどして輪を広げていきました。そのままどこかに出かけたりすることもありました。
授業の様子、学習内容、試験などは日本と比較して違いがありましたか?
ディスカッション形式のものが非常に多い点は日本の講義と比較して異なっていたと思います。様々な視点からの意見を出し合い、知見を深め視野を広げることができました。上智大学にもそういった形式の講義は数多く存在しますが、学生自身の(特に日本以外の国籍の学生)発言の積極性は留学先の方が高かったように思います。
学業以外でもっとも力を入れたことは何ですか。

できる限りの外出をすることです。約1カ月という旅行にしては長く滞在にしては短い期間のため、効率よく名所やカフェ、美術館を巡ったり、ミュージカル鑑賞やジャズバーに行ったりして、その国でしか得られない経験をするよう心掛けました。
留学先ならではの魅力や、新たに気付いた点は何ですか?
誰しもその国に対する固定観念が少しはあると思うのですが、実際に生活することで良い意味でも悪い意味でもそれらが覆されていくことは楽しかったです。例えば良い意味では、イギリスは交通の便が想像よりも非常に良かった点などが挙げられます。
最も印象に残っている出来事や、衝撃を受けたことは何ですか?
中世のイギリスの王朝の衣装を着て写真を撮ることができるスタジオに行った際、一人で少し緊張していたものの、カメラマンの方と気が合い話し込んでしまい、なぜかお代を1万円ほど割引していただけたことです。自分の英語力や対応力に自信が付きましたし、お金も浮いたのでラッキーでした。
留学中のトラブル、大変だった事は何ですか。また、どのように乗り越えましたか。
寮のシャワールームが大変使いづらかったです。シャワーは固定式で水圧もほとんど無く、まだ水圧が高い友人の部屋のシャワーをずっと借りていました。また床の区切りも無かったため洗面所やトイレの床も常に水浸しで、慌ててビーチサンダルを現地で購入しました。
留学の前後で比較して、成長できたと実感する点や意識が変わった点はどこですか。
以前よりもより自信を持って英語を、そして英語だけでなく他のトピックについても話せるようになりました。また家事などのスキルも少しは高まったように思います。
留学経験は今後の人生にどう影響しそうですか?

留学経験で培った異文化理解の意識や「やればできる」という自信が背中を押し、海外に渡航したり、海外の方と接したりする際に緊張せずに対応できるのではないか(実際留学後にそう感じた)と思います。一方で、なんとなく「海外で働いてみたい」と思っていたのですが、海外での生活は長期間に及んだ際には、あまり自分のスタイルやライフプランに合わないのだと知ったため、将来を考える上で重要な判断材料になりました。
留学に行こうか迷っている人に一言
必ず何かの糧にはなります。行く機会が保障されているのであれば、是非存分に利用してご自身のスキルアップや人生経験に役立ててください。そこで出会った人や物が、思いがけない方向に未来を動かすこともあります。楽しめるかどうかは自分次第ではありますが、充実した日々を送れるよう祈っております。