文化の違いを超えて議論し、理解が深まったアメリカ政治のダイナミズム
上智大学では毎年多くの学生が日本を飛び出して世界各国に留学しています。言語、文化、生活習慣の違いを乗り越えた先に見えたものとは。留学した学生たちの声を集めました。
-アメリカに留学に行こうと考えたきっかけは何ですか。
一度も海外で長期間生活をしたことがなかったので留学を志しました。また、英語学科での副専攻であるアメリカ政治をもっと深く学びたいと思ったのも、留学を考えるようになったきっかけの一つです。英語力の向上と、アメリカ政治のダイナミズムを直接感じ取ることを目的に、アメリカ政治の中心であるワシントンDC近郊のジョージメイソン大学への出願を決意しました。
-留学前に不安に感じていたことや、準備したことはありますか。
ホームシックとカルチャーショックが心配でしたが、行ってしまえば実家のことなどすぐに忘れ文化の違いを面白いと感じ友達と議論するようにまでなっていました。留学前にある程度英語力を磨きたいと思い英検一級を取ったことで、英語がかなり通じるなど生活をスムーズにスタートさせることができたし、就活でも評価して頂いたので準備してよかったと感じています。逆に、英検一級を取ってもリスニング力は依然低かったため、慢心することなく勉強していればよかったと考えています。
-留学先の大学や学生の雰囲気はどうでしたか
「勉強に熱心で積極的に発言する」、「授業外ではフランクに話す」といった想像通りの学生が多かったです。大学のキャンパスは勉強だけでなくスポーツ施設も充実しており、過ごしやすい環境でした。留学生向けのイベントに積極的に参加したり、日本好きが集まる日本サークルに所属したことで、交友関係を広げていきました。
-授業の様子、学習内容、試験などは日本と比較して違いがありましたか。
科目のタイトルは同じでも、様々な理由から取り扱う範囲には違いがあります。例えば、「安全保障論」という科目において、日本では北朝鮮について取り扱う事もありますが、アメリカでは地理的要因もあってかカバーしていませんでした。上智で履修していた授業と似たような授業を取り、その違いを感じながら学ぶのも面白いかもしれません。
-最も印象に残っている出来事や、衝撃を受けたことは何ですか
アメリカの印象ですが、とてもお人好しでした。教室がわからなければ絶対に教えてくれたし、WBCの決勝を観に行った時には、悔しいはずなのに日本を褒め称えてくれました。「アメリカ人はNoという時はNoとはっきり言う」と聞いていましたが、Noと言うために多くの配慮をする、そのような優しい国でした。また、アメリカ人とカラオケに行った際、奥の席に座っている人がテーブルを踏み台にして(!)外へ出ていました。日本人だったらみんなで席を立ってスペースを作るようなシーンだったので衝撃を受けました。些細な出来事でしたが、そこで一番「自分は外国にいるな」と実感しました。
-留学の前後で比較して、成長できたと実感する点や意識が変わった点はどこですか。
積極的になった点が一番の成長だと実感しています。アメリカでは自分から助けを求めないと助けてもらえないため、わからないことがあれば、積極的に話しかけるようになりました。また、「せっかくの機会だし」と様々なことに挑戦するようにもなったのが、意識が変わった点だと思います。意識が変わったことで、より他者と関わり、他者のためを考える生活になりました。また世界中に知り合いがいるので、自分の世界が広がったような感覚になれました。日本だけに留まらず、世界に挑戦できるような人生を今後は歩みたいです。
-留学に行こうか迷っている人に一言お願いします。
留学へ行った人の中で「留学へ行かなきゃよかった」と言っている人は1人もいません。反対に、留学へ行かなかった人で「留学に行けばよかった」と言っている人はよくいます。大抵の心配事はなんとかなりますが後悔はどうやっても消えません。ぜひ一歩踏み出してみてください。