卒業生大集合!オールソフィアンの集い

時代とともに移り変わりをみせる卒業生と母校とのかかわり方。上智大学では、毎年5月に卒業生のホームカミングデイ「オールソフィアンの集い」(All Sophians’ Festival 以下、ASF)が開催されています。卒業生・在学生からなる実行委員の入念な準備を経て開催される、上智大学ソフィア会(同窓会、1937年12月設立)最大のイベントです。今回はそんなASFの“いまむかし”をご紹介します。

オールソフィアンの集い(ASF)とは?

3万個の積み木でアンコールワットをつくる子どもたち(2012年5月27日、オールソフィアンの集い)*

ASFのS=Sophian(ソフィアン)は、上智大学の在学生や卒業生の呼称ですが、集いの内容は年代を問わず上智に縁をもつ人びとが絆を深めるものとなっていて、門戸は広く卒業生やソフィア会準会員の在学生のほか、教職員、ソフィアンの家族や友人、受験生、大学近隣の人びとに開かれてきました。

ウィリアム・カリー元学長は弾き語りや共演で来場者を魅了!(2016年5月29日、オールソフィアンの集い)*

当日は記念ミサに始まり、ソフィア会の会員大会(総会)があり、卒業生は出身学部・学科・課外活動団体などの集いで楽しいひとときを過ごします(※1)。ほかにも各種講演会、在学生や近隣小学校児童による野外ステージでのパフォーマンス、子ども向けのエンターテインメント企画、学内ツアー、構内メインストリートの模擬店やフリーマーケット、チャリティーイベント等々、バラエティ豊かな催しが行われてきました。そして、2023年現在ではYoutubeチャンネル上でASFの動画が配信され、ソフィアンの輪は全世界に発信されています。

ASFの始まりとこれから

世代を問わず大賑わいのパーティー会場(1974年5月18日、第1回オールソフィアンの集い)*

ASFは上智大学創立60周年(1973年)の翌年、1974年5月18日(土)に始まりました。既存の同窓会総会「ソフィア会総会」と「ソフィア会懇親会」という定期的な集いに、卒業生家族も交えた親睦の場を含めようと企画されたものです。第1回ASF当日は、卒業生で作家の井上ひさし氏(1934-2010)の講演会や、オークション、ベートーヴェン作交響曲第5番(「運命」)の演奏会などの催しのほか、託児所も設けられました(※2)。多彩なイベントや子どもたちの声がASFを活気づける伝統は、脈々と受け継がれてゆきます。

託児所で子どもに語りかけるヨゼフ・ピタウ学長(当時)(1975年5月17日、オールソフィアンの集い)*

1981年以降は、毎年5月の最終日曜日にASFが催され(例外あり)、同年からは卒業後50年、25年、15年を迎えた卒業生を祝う金祝(1976年創設)、銀祝(1965年創設)、銅祝(1981年創設)の式典、2014年からは卒業後40年を記念するルビー祝の式典も、ASF当日に催されるようになりました(※3)。

対面ブースが再始動した2022年のASF。上智大学公式キャラクターのソフィアンくんも学内メインストリートに登場!(2022年5月29日、オールソフィアンの集い)*

ASFの来場者は増加し、特に大学創立100周年にあたる2013年の100周年記念祭ASF(5月26日〈日〉開催)は、参加者が2万人を大きく上回る盛況ぶりだったようです(※4)。2020年、2021年は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の流行にともない対面でのASFは開催されませんでしたが、その間もASFはオンライン配信で継続されてきました。2022年には、オンライン開催に加えて対面イベントも再開。このハイブリッド開催により、キャンパスに活気あるASFが戻ってきたばかりでなく、遠隔地にいる卒業生も画面を通して現在の大学の風景をリアルに感じることができるようになるなど、卒業生と母校のつながりは新たな展開を迎えています。

オールソフィアンのクリスマス(ASC)

上智大学らしいホームカミングデイをもうひとつご紹介します。それが、2008年から始まった毎年12月開催の「オールソフィアンのクリスマス」(All Sophians’ Christmas 以下、 ASC)。当初、2013年の大学創立100周年に向けたソフィア会による「ASCAムーブメント(All Sophians’ Century Anniversary Movement)」の一環として企画され(※5)、以降恒例となったものです。 ASC当日は記念ミサに始まり、聖歌合唱、キャンドルサービス、在学生・卒業生らによるブース展示やライブパフォーマンスなどが催されます(※6)。キャンパス内ではイルミネーションが参加者たちを優しく包み込みます。

第4回ASCのキャンドル行進。上智大学との合併が決まった聖母大学の学生も参加(2011年12月8日、オールソフィアンのクリスマス)*
「100」(創立100周年)の電飾がキャンパスを照らした2013年のASC(2013年12月6日、オールソフィアンのクリスマス)*
在学生による東日本大震災被災者支援ブース(2011年12月8日、オールソフィアンのクリスマス)*

また、ASCは“支援”の場でもあります。会場での売上の一部や募金は、これまでに海外の子どもたちや難民、留学生、病院、災害被災地・被災在学生、COVID-19感染拡大期の在学生への支援などに充てられてきました。 2022年には、ASCもオンライン・対面のハイブリッドで開催(2020年、2021年はオンライン開催)。1年を通じて四谷キャンパスとの距離を問わずソフィアンの輪を感じられるようになりました。本記事をご覧いただいている皆様も、是非オンライン・対面の両方で上智大学、そしてソフィアンの雰囲気を感じてみてください。

ASF公式YoutubeチャンネルからASFのオンライン配信や過去の見どころ紹介などをご覧いただけます!

ASC公式Youtubeチャンネルからもオンライン配信や過去のダイジェスト映像がアップされています!

(※1)2011年に上智大学と合併した聖母大学の卒業生も、ソフィア会会員資格を有します。
(※2)『ソフィアだより』上智大学ソフィア会事務局、No.40、1974年。
(※3)COVID-19(新型コロナウイルス感染症)感染拡大防止のため、2020年度および2021年度の式典は2022年2月に延期、2022年度はASFよりずらして2023年2月に開催。
(※4)『ソフィアンズ ナウ』上智大学ソフィア会、No.174、2013年、P.8ほか。
(※5)『ソフィアンズ ナウ』上智大学ソフィア会、No.164、2008年、P.1ほか。
(※6)2019年までは9号館地下アクティブ・コモンズ(9号館地下カフェテリア)でパーティーが行われ、親睦が深められていました。

*印の写真はソフィア・アーカイブズ所蔵

上智大学 Sophia University