
学科の特色
フランスはEU域内で中心的な存在であり、世界の主要国の一つです。またフランス語が使用されるフランス語圏は、世界で二番目に多くの国や地域にまたがって広がっています。フランス語学科では、それらの多様な国や地域で活用できる高いフランス語能力に加えて、フランスやフランス語圏を総合的に学ぶためのプログラムを用意。3~4年次の研究コースでは専門的な知識や研究のための方法論の獲得に加え、フランスはもちろん、世界に広がるフランス語圏地域への多角的で深い理解をうながします。このようにして、国際的な舞台で活躍するために欠くことのできない高い教養を養うことを目指しています。
世界に広がるフランス語

フランス語は全世界で1億2300万人が母語として使用し、2億人以上が公用語・第二言語(第一外国語)として使用しています。フランス語を話す人が最も多いのはヨーロッパに次いでアフリカです。アフリカでは、ネイティブ話者と第二言語話者を合わせると、34か国で話されています。
カリキュラムの特徴
1~2年次でフランス語の4技能(読む・聞く・書く・話す)を徹底して学び、3年次の「表現演習」「聴解演習」「講読演習」などを通して4技能をさらに発展、4年次の「総合演習」を通してより実践的な運用能力を身につけます。また「フランス語圏基礎科目」では、フランスやフランス語圏の国や地域の政治、社会、思想、歴史、文化などを広く、深く学びます。
さらに多様な研究コースの中から一つを選び、思想、哲学、言語学、社会学、政治学、経済学、歴史学などを専門とする教員のもと、基礎から発展へ体系的に知識を積み重ね、専門研究を行い、卒業論文・卒業研究に結実させます。
※科目の詳細については、シラバスをご覧ください
科目紹介
- 基礎フランス語Ⅰ
文法の土台を固めながら、フランス語の4技能(読む・聞く・書く・話す)を総合的に伸ばします。週6コマの高い密度で、日本人とネイティブの教員がチームを組んで授業を行います。
- 基礎フランス語Ⅱ
基礎フランス語Ⅰと同様に週6コマの授業を行います。文法と会話表現を高めながら、社会学、言語学、歴史学、政治学、経済学など専門分野にも触れ、3〜4年次に研究に取り組むための知識と高度な読解力を身につけます。
- 総合フランス語科目
「表現演習」「聴解演習」「講読演習」など、4 技能を集中的に強化することを目的とした科目群からなります。総合的なフランス語運用能力の強化を図る「総合演習」「特別演習」といった科目も用意します。
- フランス語圏研究A(歴史と文化)
中世から現代までのフランスの歴史、フランス・フランス語圏の地理を学び、専門的な研究を進めるうえで必要な基礎知識を養います。合わせて、プレゼンテーションスキルも身につけます。
- フランス語圏研究B(政治と宗教)
複数の宗教の共存を目指してフランスに生まれた共和主義における「共存」の理想と実行について、特にそのカギとされる「ライシテ」の概念に注目しながら、特徴と歴史的背景を通して考察します。
- フランス語圏研究C(社会と経済)
フランスとフランス語圏の地域の社会と経済を理解するために必要な多角的なアプローチを学びます。取り上げるテーマは、フランスの経済と社会、フランス語圏アフリカ・中東の社会と近代史などです。
取得可能な教員免許と教科
- 中学校教諭1種(フランス語)
- 高等学校教諭1種(フランス語)
学芸員課程が履修できます。
教育の目的・方針
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フランス語の高度な運用能力を養い、地域研究、言語研究等の専門研究の基礎となる幅広い教養(人文・社会科学、フランス語圏に関する基礎知識)を修得すること
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フランス語の高度な運用能力を基礎として、グローバル化する社会に貢献しうる人物、並びに地域研究、言語研究等の専門家を養成すること
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本学科は、学生が卒業時に身につけているべき能力や知識を次のように定めています。卒業要件を満たせば、これらを身につけたものと認め、学位を授与します。
卒業時において全員がヨーロッパ言語参照枠(CEFR)におけるB2相当(海外の大学で学べるレベル)に到達し、それに加えできるだけ多くの者が同C1相当(海外の大学院で学べるレベル)に到達することを目標とする。
- フランス語の「聴く」「読む」に代表される受容的言語活動(receptive activities)に関する能力
- フランス語の「話す」「書く」に代表される産出的言語活動(productive activities)に関する能力
- フランス語の会話や交渉に代表される相互行為活動(interactive activities)に関する能力
- フランス語の通訳・翻訳などに代表される仲介(mediating activities)活動に関する能力
- フランス語圏の歴史・文化・政治・社会について、世界での位置づけや特徴および日本との関係や比較を踏まえて理解する能力
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本学科では、ディプロマ・ポリシーに沿って、次の趣旨を盛り込んだ科目によってカリキュラムを編成しています。
- 【第一主専攻・必修科目(基礎フランス語I・II)】1・2年次を通して、「聞く、話す、読む、書く」の4技能にわたって、フランス語の基礎的運用能力の修得を目指す。授業では、複数の教員(日本人およびネイティブ)でチーム・ティーチングを行い、講義、グループワーク、ペアワーク、プレゼンテーションなど授業の目的に合わせて展開されるが、学生の授業への積極的な参画とともに、毎日の予習・復習を含む計画的な学習が求められる。
- 【第一主専攻・必修科目(総合フランス語)】1・2年次で修得したフランス語の基礎学力を用いて、3年次対象の聴解・表現・講読演習では実践的に語学力を運用する高度なスキルを学ぶこと、4年次対象の総合演習では総合的なフランス語運用能力を応用的に身につけさせることを目指す。授業はグループワークやプレゼンテーションなどを中心に多角的に展開される。
- 【第一主専攻・語圏基礎科目】1・2年次において、フランス語圏の国々や地域における歴史・政治・経済・社会・文化・言語など、フランス語を基盤として今後フランス語圏について学んでいくための基礎的教養を身につけることを目指す。また、レポートやプレゼンテーションなどの大学での学びにおいて不可欠なアカデミック・スキルズの基礎を修得させる。
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- フランス語圏の言語・歴史・政治・経済・社会・文化などに関心を持ち、フランス語の高度な運用能力を身に付けることを望む学生を求めます。
- 基本的に、フランス語学科においてフランス語の学習を開始したい学生を求めています。すでに何らかの形でフランス語の学習経験のある学生で、改めて体系的に学ぶことを通じ、その運用能力の向上に真摯に取り組む姿勢を持つ学生も受け入れます。
- フランス語と英語の実践的な運用能力を基盤として、外国語学部が設けている9つの「研究コース」のいずれかにおいて、自ら選んだ領域やテーマについて専門的に掘り下げることを期待します。