第41回「地方の時代」映像祭で文学部新聞学科生の2作品が奨励賞を受賞

向かって左から:村上真惟さん、大澤知世さん、中村未歩さん

「地方から社会の今を見つめる」というコンセプトで放送局やケーブルテレビ、それに市民や大学生、高校生らが制作したドキュメンタリーの中から優れた作品を表彰する「第41回地方の時代映像祭」で、文学部新聞学科3年の中村未歩さんが個人制作した作品と同2年の村上真惟さんおよび大澤知世さんがグループ制作した作品が、「市民・学生・自治体部門」で応募があった54作品の中からともに奨励賞に選ばれました。

学生らが応募する同映画祭で同じ大学から同時に2つ入賞するのは全国最多で、2017年以降4年連続の快挙です。入賞した中村さん、村上さん、大澤さんの3人はともに新聞学科でドキュメンタリーを制作する水島宏明教授のゼミに所属しています。

中村さんの作品「ねえ私のこと、どう思う」

中村さんが応募したのは「ねえ私のこと、どう思う」という作品です。

若い人たちの間で広がる”うつ病”について実際に苦しんでいる患者本人や周辺を取材して課題を提起しています。精神面の調子が安定せずに学業やアルバイトなどが思うようにならない実態。本人が苦しんでいるだけでなく、その家族や友人なども一悩んでいる姿まで自然なかたちで描かれていることが高く評価されました。中村さんは「若い世代に広がる深刻な病気なのに本人が怠惰なせいだとか根性が足りないからだなどと無理解が今も多い“うつ病”について理解を広げる一歩になればいい」と話しています。

村上さんと大澤さんの作品「曇天五輪」

村上さんと大澤さんが応募したのは「曇天五輪」という作品です。

高校時代から東京五輪でボランティアに参加することが夢だったという村上さん自身が主人公です。実際に東京五輪が近づいてくると、新型コロナウイルスの感染拡大もあって五輪開催に反対する声が大きくなった現実。さらに東京五輪を主催する組織委員会の会長が「女性蔑視」発言で辞任し、ボランティアにも辞退者が増えた一方で、無給のボランティアとは違って給料が支払われるアルバイトに応募して同じ作業する人が増えるなど、いろいろと矛盾や運営面のまずさも見え隠れした五輪開催でした。それに当事者であるボランティアとして、辞退する人やバイトを選んだ人などにインタビューし、学生の目から見た東京五輪パラリンピックへの割り切れない思いを描きました。村上さんと大澤さんは「制作にあたってはゼミの先輩たちをはじめ、当初はボランティアに応募していたものの最終的に断念した人たちに取材させていただいた。みんなに感謝して今後の作品制作への励みにしたい」と話しています。


上智大学 Sophia University