デジタル関連製品を手掛けるアンカー・ジャパン経営陣が同社の経営戦略を語るオンライン講演に学生や高校生が参加

講演の様子(※画像は一部加工しています)

1月29日、経済学部が主催し「Ankerの挑戦:デジタル時代の新しいメーカー像」と題したオンライン講演会が開催され、本学学生ほか、高校生ら約70人が参加しました。当日はアンカー・ジャパン株式会社(以下アンカー・ジャパン)代表取締役の井戸義経氏と、同社取締役COOの猿渡歩氏が登壇し、同社の経営戦略についてプレゼンテーションを行いました。アンカー・ジャパンは、モバイルバッテリーをはじめとするデジタル関連製品の開発・製造・販売を行うAnkerグループの日本法人です。

はじめに、井戸氏からAnkerグループの事業概要について説明がありました。金融業界で10年以上のキャリアを積んでいた同氏は、Ankerグループと出会った際に「創業者のビジネスモデルの美しさに感銘を受けた」と話し、「インターネットの普及に伴い、消費者の行動が変容し、延いてはメーカーのビジネスモデルの進化にも影響を与える」ということを10年以上も前に見抜いていた同社で働くことを決意したと言います。創業当初からDtoCモデル(ECサイトなどから直接顧客に販売するビジネスモデル)を先駆的に採用している同社は、グループ・日本法人とも驚異的な成長を遂げていることでも知られています。井戸氏は、流通にかかる費用を抑えて、低コストで高品質な製品を提供できること、消費者から寄せられるフィードバックを迅速に製品に反映できること、の2点をDtoCモデルのメリットとして解説しました。

続いて猿渡氏が日本国内におけるブランド戦略についてプレゼンテーションを行いました。猿渡氏は、昨年11月にも経営学科の網倉久永教授ゼミでも講義を行っています。同氏は、「プロサッカーチームとのユニフォームスポンサー契約締結や、地方自治体との防災協定締結などを通して、ブランドの認知度や信用力を高められるよう長期的なマーケティング戦略にも注力している」と同社のブランディングの取組みについて解説しました。本講演会のコーディネーターを務めた網倉教授から「海外の顧客と日本の顧客に特性の違いがあるか」と問われると、「日本人はパッケージやマニュアルなどの細部についても、より質の高いサービスを求める傾向がある」と説明し、「このような日本国内で求められる高い基準を、引き続きAnkerグループ製品のスタンダードにしたい」と展望も語りました。

質疑応答には多くの質問が寄せられるなど、参加者の関心の高さが伺えました。網倉教授は「学生が、実務の第一線で活躍している経営者の<生の声>を直接聞ける場面は限られているため、今回の講演会はとても貴重な機会だった。多忙なトップお二方に揃ってご登壇いただけたのは、オンライン開催だからこその利点であった」と振り返りました。


上智大学 Sophia University