2021年 11月10日
上智大学長 曄道佳明
学生の皆さんへ
過日、元学生が在学中から本学教員にハラスメントを受けたとして当該教員を提訴しているとの報道がありました。そのことにかかる大学の対応に関して、課外活動団体から署名が提出され、また意見や質問も寄せられておりますので、改めて本学の対応についてご説明いたします。
1.一部報道に対する本学のコメントについて
当初、一部報道機関からの取材に対し、大学が「個人間の問題としてコメントを控える」と回答をしたのは、元学生と本学教員が民事訴訟で係争中であり、原告・被告でもない本学が、メディアを介して、公判に影響を与えるようなコメントをすることは難しいという主旨でお答えしました。報道とは別に、既に本学としての対応を開始していましたが、大学が責任を放棄しているかのように誤解を与えたことで、学生の皆さんに不安と不信感を抱かせてしまったことを、深くお詫びしたいと思います。
2.本学の「学生へのハラスメント」への対応
本学では、学生へのハラスメントという大学教員として不適切な行為が認められた場合に、それを容認することは断じてありません。残念ながら、過去にも学生からのハラスメント被害の訴えが起きたことがありますが、都度、外部有識者も含めた調査委員会により調査を行い、懲戒等、必要な措置を取ってきました。
本件についても例外ではありません。9月21日に公式HPに掲載したとおり、「安心して学べる修学環境を維持するため、公正かつ適正に事実関係の確認をすすめ、厳正に対処する」ことを皆さんにお約束します。本学の調査はまだ完了しておりませんので、現時点でこれ以上、予断をもってお伝えすることはできませんが、引き続きしっかりと対応していきます。
3.本学の「安心・安全なキャンパス」を目指す取り組み
またこの調査とは別に、ハラスメントを防ぐための更なる取組みの工夫や、学生が相談しやすい体制構築に向けて、現在、急ぎ検討を進めています。かねてより、安心・安全なキャンパス、すべての多様な人々が豊かな学生生活を享受できるキャンパスを目指し、学外の相談窓口設置、ガイダンスの充実、教職員研修の強化などのハラスメント対策も進めてきました。今後はさらに学生アンケートによる実態把握や、学生相談に関する組織改編を含めて準備を進めています。学生や教職員の皆さんの声をききながら、学長としてこれらの施策を強力に推進していく所存です。学生の皆さんからの意見、提案を歓迎します。
最後に、もしも万が一、ご自身や友人がハラスメントを受けて困っている、苦しんでいることがあれば、一人で抱え込まずにハラスメント相談員、外部相談窓口などに声をかけてください。カウンセリングセンターや保健センターでも、カウンセラー、医師・看護師等がお話を聞くことができますので、話しやすい場所を選んで相談してください。
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