国立民族学博物館(大阪府吹田市)で11月23日まで
理工学部情報理工学科の荒井隆行教授が監修者の一人として参加した特別展「Homō loquēns 『しゃべるヒト』~ことばの不思議を科学する~」が、9月1日から11月23日の日程で、大阪の国立民族学博物館で開催中です。
荒井教授は、音声コミュニケーションや音声福祉工学など、人間が音声によって相互にコミュニケーションをとる際の音声生成過程、音声知覚過程の科学的研究が専門。また、教育機関等での音響教育プログラム推進のため、声道模型教材開発にも積極的に取り組んでいます。
この特別展には、身近にありすぎてほとんど振り返ることのない「ことば」をテーマに、言語学のみならず、文化人類学、工学系、教育系、脳科学、認知心理学などの分野から、50人を超える国内外の研究者が協力。脳や体と言葉の関わり、手話言語と音声言語の違い、人間の言葉と動物のコミュニケーションの比較など、言葉の不思議に迫る特別展です。
荒井教授の監修した模型は、人間がどのように音声を発するかを示す模型で、1階「コトバの仕組み」ゾーンに展示されています。蛇腹が空気をため、その空気が吐き出されるときにリードが振動し声の源が生まれる仕組みを体感できるほか、母音の作られ方や発音のメカニズムをわかりやすく体験できるように作られた模型です。
荒井教授は、「この特別展では、さまざまなことを考える工夫がなされています。ヒトの進化や地球上の言語の多様性から、私たち一人ひとりがどのように言語と接し生きているかなどに至るまで。その中で、いかに声は作られるかの展示を担当しましたが、そこで用いた声道模型を手にした時、例えばことばの障害など、さまざまなことを考えていただければ幸いです」と話しています。
特別展の詳細については、国立民族学博物館公式ホームページをご覧ください。