「みんなの人権・映像フェスティバル」において、文学部新聞学科生の作品が大賞と優秀賞を受賞しました。世界人権宣言大阪連絡会議が主催する本フェスティバルは、映像の力で”差別のない人権が尊重された社会づくり”を目指すもので、審査員には法学者で大阪芸術大学客員准教授の谷口真由美氏やお笑い芸人でYouTuberのせやろがいおじさんらが就いています。
入賞作品は4月25日に大阪で開かれた世界人権宣言大阪連絡会議総会で上映され、審査委員長の谷口氏らが作品評を述べました。
全国各地から応募があった作品の中から、最も優れた作品に贈られる大賞には文学部新聞学科3年の小塩巴菜さん、江上らなさん、古屋蓮さんが制作したドキュメンタリー「四本指のピースサイン」が選ばれました。この作品は生まれた時から手や足の指に障害がある裂手症を抱える人たちやその親の悩みを取材したもので、審査員長からは「制作者の向き合う姿勢が映し出されることで、視聴者に語りかけることができていた。ステレオタイプの払拭の過程が可視化できている」と高く評価されました。
「四本指のピースサイン」はこちらから視聴可能です
また大賞に次ぐ優秀賞には新聞学科4年の菅野吏紗さんが制作した「埼玉クルド」が選ばれました。この作品は埼玉県川口市などに多く住んでいる中東出身のクルド人が労働者として尊重されない現状を伝えた作品です。審査員長からは「日本が受け入れるウクライナ、ミャンマーの難民と未曾有の事態でなくてもずっと前から困窮・抑圧されている難民となにが違うのか。ショッキングな出来事に隠れた日常を考えさせられる」と評価されました。
今回受賞した4人は、2021年度に新聞学科の水島宏明教授のゼミに所属し、ドキュメンタリー制作を学んだ学生たちです。大賞を受賞した小塩さんは、3人を代表して「私たち自身がこの障害に対し無意識に差別・偏見を持ってしまっていたことに取材をする中で気がつき、当事者との関わりを通して見方が変わりました。先入観を持たず、人と接することの大切さを学びました」と取材での気づきを語りました。
また、菅野さんも「日本で暮らす外国人が抱える問題は知られていないことがまだ多い。卒業した後もジャーナリストとして日本の難民問題を取材していきたい」と抱負を話しています。
2021年度「みんなの人権・映像フェスティバル」の入賞作品については、以下のホームページに掲載されています。
https://blhrri.org/topics/topics_shosai.php?topics_no=1279