人の思いに寄り添いながら、多様な声を社会に届ける。
留学、課外活動、サークル、ボランティア、インターンシップ。夢をかなえるため、そして自分を成長させるため。大学でさまざまなことに挑戦した学生たちが語る入学から現在までの変化と成長を紐解きます。
好奇心と行動力で、記者という目標を実現。
――文学部新聞学科に進学しようと思った理由は何ですか?
上智の国際的なイメージに惹かれて入学しました。高校まで海外経験はなかったのですが、いつか留学してみたいという思いもありました。幼い頃からテレビが好きで、高校生になる頃にはニュースや新聞に触れる機会も増えて、自然と記者という仕事に関心を持つようになり、新聞学科を志望しました。メディアや報道への興味が進路選択につながりましたね。
――大学生活での学びや出会いについて聞かせてください。
特に印象に残っているのは、メディアと多様性について学んだ講義です。世の中に多様なメディアが存在し、様々な意見が出ることが社会にとっていかに重要かを学びました。これは今でも私が大切にしている価値観となっています。
放送局で英語ニュース番組の制作補助のアルバイトを経験したことも思い出深いですね。生放送の現場で、大勢のスタッフが一丸となって番組を作り上げていく様子を間近で見ることができ、とても勉強になりました。また、体育会のバスケットボール部に2年次の途中まで所属し、留学生を含むチームメイトとの交流を通じて多くの刺激を受けました。この経験が、留学を決意する大きな後押しになったと感じています。
――留学先では、どのような日々を送りましたか?
3年次の夏から1年間、シアトル大学のジャーナリズム学科に留学しました。ここで学んだのは、好奇心を大切にして行動することの重要さです。ある日、現地の日本食材店で日本語の新聞を見つけ、それがアメリカ最古の日系移民コミュニティー向けのものだと知りました。その後、授業でその編集長に取材する機会があり、インターンをさせていただくことに。ちょうど日系移民150周年の年で、シアトルに住む方々の半生を取材する連載を担当し、様々な方から貴重なお話を伺うことができました。自分の英語に不安を感じながらも、周りからは感謝の言葉をいただけたことで、記者という仕事への思いが一層強くなったのです。
また、他の授業では、くじ引きで決めた町へ半年間通い、ブログで記事を発信し続けるという課題にも取り組みました。初めこそ戸惑いましたが、実践を重ねることでハードルが下がり、誰にでも心を開いて接する力が身についたと感じています。
――就職活動はどのように進めましたか?
留学を終えて帰国すると、すぐにインターンや面接が始まりました。メディア業界の選考が早かったことや、映像での表現に関心があったためテレビ局を中心に選考を受けました。TBSでインターンをしていた時、突発的な出来事が起こると記者が迅速に動き出し、現場に急行する姿を見て、取材への熱を強く感じました。TBSへ入社を決めた理由のひとつは、そんな記者が生き生きとしている環境に強く惹かれたからです。
一人の記者として、社会の多様性を支えていく。
――現在の仕事について教えてください。
TBSテレビ報道局社会部の記者として、司法クラブに所属しています。全員で6人の記者がおり、東京地検や裁判所、法務省関連の取材を担当しています。
普段は拠点としている霞が関から、直接取材先に向かうことが多いですね。通常、現場ではカメラマンと音声などを担当する技術スタッフとチームを組んで取材を行います。原稿や撮影したインタビューなどの素材は本社で編集され、ニュースとして放送されるという流れです。大きな出来事があった際には、現場からレポートをすることもあります。
――仕事で大切にしていることは何ですか?
事件や裁判の取材では、犯罪の被害者やご遺族など、深い苦しみや悲しみを抱えている方々からお話を伺うことがあります。そうした場面では特に、カメラを向けることの重みを実感しています。ただインタビューをするのではなく、取材対象の方と真摯に向き合い、何を知ってほしいのか、何を訴えたいのかを、時間をかけて丁寧に聞くことを大切にしています。時には「カメラの前では話せないけど」と、胸の内を明かしてくださる方も。そうした思いを受け止め、それを社会に問いかけられるのはメディアならではの役割であり、大きなやりがいを感じています。
――今後の目標を教えてください。
先日、私が取材した方に寄付をしたいと、視聴者の方から連絡をいただいたことがありました。人の心を少しでも動かし、社会が良い方向に進むきっかけになるような放送を、これからも目指したいと考えています。新聞学科で学んだ“社会の多様性をメディアが支える”という価値観を大切にしながら、様々な考えを持つ人の声を、テレビを通じて届けていきたいですね。
――後輩の皆さんへメッセージをお願いします。
様々なバックグラウンドを持った人たちと、積極的に関わってほしいと思います。私自身、留学中に寮で共同生活をしていた仲間たちから多くのことを学びました。同じ年齢でも目指す方向は異なり、それぞれがやりたいことを突き詰めていたのです。そうした多様な思いに触れることで、自分の世界が大きく広がりましたからね。
※この記事の内容は、2025年1月時点のものです。