海外&日本の経験を結びつけて、明確になった物づくりの道。

豊島 優斗さん
総合グローバル学部 総合グローバル学科 SPSFコース 2024年9月卒業
(清水建設株式会社 内定)

留学、課外活動、サークル、ボランティア、インターンシップ。夢をかなえるため、そして自分を成長させるため。大学でさまざまなことに挑戦した学生たちが語る入学から現在までの変化と成長を紐解きます。

東南アジアで芽生えた興味・関心を、さらに深く掘り下げた4年間。

――総合グローバル学部 SPSFコース(※)に進学しようと思った理由は何ですか?

オープンキャンパスに来た時、大学の雰囲気が自分に合っていると感じたことや、留学生がたくさんいたことが理由です。小学1年から高校まで東南アジア5か国で過ごしたため、留学生や外国人教員が多い上智ならすんなり馴染めると思いました。また、アクセスの良い立地も魅力でしたね。

SPSFを選んだのは、ベトナムに住んでいた頃、国連が運営する高校に通っていたのですが、そこでSDGsや持続可能な未来の在り方について学ぶ機会が多く、自分もその分野に興味を持っていたので、SPSFでさらに深く学べると思ったからです。

(※)6学科が連携する英語学位プログラムSophia Program for Sustainable Futuresの略

――印象に残っている学びについて教えてください。

高校時代は脱炭素やプラスチック削減といった大きなテーマを通じてSDGsを勉強しましたが、SPSFではより細部に焦点を当て、専門的に学びました。例えばSDGsには地域の問題をはじめとする小さな課題も多く含まれており、それらを一つひとつ解決していく必要性を強く感じましたね。

また、日本の様々な地域や文化について学ぶ観光の授業はとても興味深く、世界各国の関係性や対立・友好の理由を学んだ政治の授業も実りあるものでした。東南アジアで長く暮らしていた経験があるからこそ、日本、欧米、アフリカなど、様々な国に対する知識欲が特に強かったかもしれません。

――大学生活で成長できたことは何ですか?

人の考え方や価値観が国や文化によって異なることを、長い海外生活で実感する機会が多くありました。その経験から、広い視野を持って異なる意見も受け入れることができるようになったのは自分の長所のひとつです。大学の授業でも、自己主張するだけでなく周りの意見を取り入れてより良い答えを導き出すことで、自分の強みを活かせたと思います。

こうした長所は、大学生活を通じてさらに磨かれていったと感じていますね。就活中に成長できたのは、自分を分析する中で改善すべき点を認識できたこと。少し頑固な一面は意思の強さとも言えますが、状況に応じて柔軟に考えを変えていくことも必要だと意識するようになりました。

きっかけはNGO団体活動。高校時代からつながる納得の未来。

――就職活動は、どのように準備して進めましたか?

就活を始めた当初は何がしたいのか明確に決まっておらず、ただ漠然と「グローバルに働きたい」と思っていただけでした。そこで、まずは興味のあるゲームやおもちゃ業界、大手商社、メーカーなど、SNSで情報が流れてきた様々な業界・企業を分析することからスタート。目移りしてなかなか業界を絞れず、キャリアセンターのアドバイザーの方に相談しました。

海外で過ごした経験や高校時代に所属していたNGO団体での活動など、過去を一緒に整理してもらう中で、物づくりが好きだと気づけたのです。エントリーシートの書き方や面接練習でも多くのアドバイスをいただき、それが就活を進めるうえで大きな助けとなりました。

――高校時代に所属していたNGO団体について教えてください。

ベトナム在住時、現地の貧しい方々に住宅を支援するNGO団体に所属していました。参加のきっかけは、父が建設業界に関わっていたことと、物づくりに強い興味を持っていたからです。

約2年間の活動では、主に資金集めを担当しました。手作りお菓子の販売や映画観賞会などを企画してお金を集めたり、後輩と一緒に資金計画を立てたりしていました。仲間たちと一丸となって取り組んできたこの活動は非常にやりがいがあり、目標を達成できた時の充実感は格別でしたね。

――就職先に清水建設を選んだ理由を教えてください。

NGO団体で人のために活動した時のやりがいや、父が働く建設現場で物が造られていく過程を見るのが楽しかったことを思い出し、最終的に建設業界に絞って就活を進めました。

清水建設で働くことを決めた理由は2つあります。ひとつは社風や社員の方の雰囲気がとても良かったこと。お会いしたリクルーターの皆さんは、フランクに冗談を交えながら緊張を和らげてくださり、このような穏やかな方々と一緒に働きたいと思いました。

もうひとつは、多種多様な物を造る現場を経験できること。好きな物づくりに携われるのはもちろん、清水建設はアジア地域にも力を入れていることから、東南アジア育ちの自分も何か貢献できるのではないかと考えたからです。

――後輩の皆さんへメッセージをお願いします。

就活は、焦らず取り組むことが一番です。周りから内定報告があると焦ってしまう気持ちはよく分かりますが、興味のない業界を受けるのは時間がもったいない。この先何がしたいのか、何を大切にしているのか、じっくり考えながら皆さんのペースで就活を進めてください。

※この記事の内容は、2024年12月時点のものです。

上智大学 Sophia University