言語の運用能力を総合的に高める語学指導と多彩な地域研究から“ドイツ語圏の現在”に迫る

学科の特色

ドイツ語学科では、ネイティブの教員と日本人教員が連携し、集中的かつ効率的なドイツ語教育を実践しています。1年次よりドイツで出版されている教科書を使用し、コミュニケーションを重視した言語教育を展開。合わせてドイツ語圏の言語・思想・環境・政治・社会・メディアなど幅広いテーマを取り上げる授業を行い、ドイツ語圏の文化や価値観、思考方法などを理解・共有するための能力を習得します。

ドイツ語や地域研究の専門家を養成するだけでなく、高いコミュニケーション能力と専門的知見・方法論を兼ね備え、国際社会で活躍できる人材を育成することを目標としています。

カリキュラムの特徴

カリキュラムの大きな特徴となるのが、一般的な留学時期よりも早い2年次の秋学期にドイツ語圏で半年間勉強できる「在外履修」制度です。交換留学も利用すれば、言語と文化をより深く学べるでしょう。地域研究においては、ニュースや雑誌記事などを用いて、1年次からディスカッション形式の授業を実施。3~4年次には、歴史・政治・経済・社会・環境・文化・思想・音楽・美術など多彩な授業を用意しています。またドイツの大学との協定により、学科には多くのドイツ人留学生が在籍。ドイツ人とともに学び、議論し、文化や価値観の違いを体験することで、国内にいながら国際感覚を磨くことができます。

※科目の詳細については、シラバスをご覧ください

科目紹介

基礎ドイツ語Ⅰa

ドイツ語の基礎的な文法を学び、簡単な文書作成と文書読解ができる力、文法に基づいて適切なドイツ語論文と不適切なドイツ語論文を区別できる力を養います。

基礎ドイツ語Ⅰb

ドイツ語圏の日常生活で必要となる会話力や聴解力を身につけ、基礎レベルのコミュニケーション能力を培います。日本人とネイティブの教員が交代制で授業を行います。

基礎ドイツ語Ⅱa

中級文法の学習と文章読解を交互に行います。複合的・応用的な表現力の習得と、短文読解に適した既習の文法の再確認と強化を目指します。

ドイツ語圏研究A

ドイツ語研究に必要となる現代社会、政治、経済など基礎的な知識を身につけます。またドイツ事情を理解できる語学力を身につけ、社会事情への理解に至るまでを学んでいきます。

ドイツ語圏研究B

ドイツ語研究のための基本的な言語学知識を身につけることを目的とします。基本的構成・形式に則ったレポートを作成し、書き方の基本や口頭発表のスキルを身につけていきます。

ドイツ語圏研究C

ドイツ語研究のための文化・地理・社会・宗教上の基礎知識を概観するとともに、在外履修およびその他の留学を円滑に進めていくうえで求められている実践的な技術の習得を目指します。

取得可能な教員免許と教科

  • 中学校教諭1種(ドイツ語)
  • 高等学校教諭1種(ドイツ語)

学芸員課程が履修できます。

教育の目的・方針

ドイツ語の高度な運用能力を養い、地域研究、言語研究等の専門研究の基礎となる幅広い教養(人文・社会科学、ドイツ語圏に関する基礎知識)を修得すること

ドイツ語の高度な運用能力を基礎として、グローバル化する社会に貢献しうる人物、並びに地域研究、言語研究等の専門家を養成すること

本学科は、学生が卒業時に身につけているべき能力や知識を次のように定めています。卒業要件を満たせば、これらを身につけたものと認め、学位を授与します。

卒業時において全員がヨーロッパ言語参照枠(CEFR)におけるB2相当(海外の大学で学べるレベル)に到達し、それに加えできるだけ多くの者が同C1相当(海外の大学院で学べるレベル)に到達することを目標とします。

 

  1. ドイツ語の「聴く」「読む」に代表される受容的言語活動(receptive activities)に関する能力
  2. ドイツ語の「話す」「書く」に代表される産出的言語活動(productive activities)に関する能力
  3. ドイツ語の会話や交渉に代表される相互行為活動(interactive activities)に関する能力
  4. ドイツ語の通訳・翻訳などに代表される仲介活動(mediating activities)に関する能力
  5. ドイツ語圏の歴史・文化・政治・社会について、世界での位置づけや特徴および日本との関係や比較を踏まえて理解する能力

本学科では、ディプロマ・ポリシーに沿って、次の趣旨を盛り込んだ科目によってカリキュラムを編成しています。

 

  1. 【第一主専攻・必修科目(基礎ドイツ語I・II)】1・2年次では、文法・読解を中心とする講義・演習形式の授業と、複数のネイティブスピーカーの教員と日本人教員が連携して「聞く、話す、読む、書く」の4技能をペアワーク、グループワーク、プレゼンテーションなどを含む実践的練習によって伸ばす授業を通して、ドイツ語の基礎的運用能力の修得を目指す。コミュニケーションの授業においては、教員の授業における使用言語も主にドイツ語である。いずれの授業においても、能動的な授業参画が前提であり、授業中および授業外における主体的な学習が求められる。
  2. 【第一主専攻・必修科目(ドイツ語Ⅲ・専門読解準備コース)】1・2年次で修得したドイツ語の基礎学力を用いて、3・4年次では、実践的に語学力を運用する高度なスキルを学ぶ。口頭表現と聴解演習からなるドイツ語Ⅲでは、授業は主にドイツ語で進められ、ペアやグループでのコミュニケーションやプレゼンテーション、聴解能力を高める聞き取りや書き取りなど、多様な形式で学ばせる。また専門読解準備コースでは、言語、思想・文化、政治・社会の3領域について、より高度な内容の文献講読を通して、専門的な内容の読解をする力を身につけさせる。
  3. 【第一主専攻・語圏基礎科目(ドイツ語圏研究)】1・2年次において,ドイツ語圏における歴史・政治・経済・社会・文化・言語など、ドイツ語を基盤として今後ドイツ語圏について学んでいくための基礎的知識を身につけることを目指す。また、文献検索やレポート作成などの基礎的な学術能力を身につけさせる。主に在外履修をはじめ留学に行く学生向けに、ドイツ語圏での生活や大学での学びのための準備も行う。授業では講義の他、グループワークやプレゼンテーションなども実施される。
  4. 【在外履修に伴う履修科目】基礎ドイツ語IIとドイツ語圏研究の一部およびドイツ語Ⅲは、2年次秋学期におけるドイツ語圏の協定校での在外履修によって、修得することができる。また在外履修や交換留学から帰国した学生は、学部の研究コース科目のうち、学科が「日独比較研究」科目として指定する科目(通訳・翻訳を含む)を履修し、ドイツ語圏からの留学生と共に学ぶことで、異文化間コミュニケーション能力を高めるとともに、各分野の比較研究を深める。
  1. ドイツ語圏の言語・歴史・政治・経済・社会・文化などに関心を持ち、ドイツ語の高度な運用能力を身に付けることを望む学生を求めます。
  2. 基本的に、ドイツ語学科においてドイツ語の学習を開始したい学生を求めています。すでに何らかの形でドイツ語の学習経験のある学生で、改めて体系的に学ぶことを通じ、その運用能力の向上に真摯に取り組む姿勢を持つ学生も受け入れます。
  3. ドイツ語と英語の実践的な運用能力を基盤として、外国語学部が設けている9つの「研究コース」のいずれかにおいて、自ら選んだ領域やテーマについて専門的に掘り下げることを期待します。

教員一覧

浅見 昇吾 教授

研究分野 ドイツの現代思想に基づく生命倫理の研究
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研究分野 ドイツ現代文化研究(ディスクール分析):ヨーロッパ映画と大衆文化

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木村 護郎クリストフ 教授

研究分野 ヨーロッパ言語社会論、ドイツ語圏社会研究
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研究分野 理論言語学:ドイツ語を対象とした語彙意味的研究

Angela LIPSKY 教授

研究分野 ドイツ語教育:文法、誤答分析、言語学

佐藤 友紀子 助教

研究分野 ドイツ語圏メディア分析、メディア比較研究、ゲーム・スタディーズ、教育工学

柳田 ネンシ 講師

研究分野 言語ポートフォリオによる学習についての研究

上智大学 Sophia University