日本電気株式会社(以下、NEC)と共同し、2023年10月22日(日)にトップアスリートで東京オリンピックメダリストの野中生萌選手(スポーツクライミング)と堀米雄斗選手(スケートボード)を四谷キャンパスに招き、特別講義や競技体験イベントを実施しました。
誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指すNECは、国籍や性別、障がいの有無などに関わらず、誰もが夢を抱き挑戦するきっかけとなるような機会を創ることを目的として「NEC +CHALLENGE PROJECT」を実施しています。上智大学でも ”For Others, With Others(他者のために、他者とともに)”の教育精神のもと、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に積極的に取り組んできたことから、同プロジェクトの一部を本学で開催しました。
プログラムの前半では、「世界に挑戦し活躍するために大切なこと」をテーマに、野中選手と堀米選手が特別講義を行いました。
野中選手は、「まずは世界に飛び出して自分を知ることが大切。日本と世界の違いを知り、比較対象が増えることでネガティブになる場面も増えるが、そんなときこそ、『違い』を前向きに捉えて努力の糧にしている。これらによって自己理解が深まり、さらなる挑戦のための土台になっていく」と話しました。
また、堀米選手は「スケートボードは、誰もやったことのない技や、それに挑戦する姿に価値を見出す競技」としたうえで、「家族や仲間とのコミュニケーションのなかで、オリジナリティのあるアイデアが生まれることも多い。うまくいかずに落ち込んだときは、『スケートボードが好き』という気持ちに立ち返り、純粋に楽しむことを大切にしている」と話しました。
トークセッションでは、「世界を舞台に挑戦する上で必要な資質」をテーマに二人の勝負強さの源をたどったほか、二人が大切にしている言葉「今に見てろと笑ってやれ(野中選手)」「Now or Never(堀米選手)」に秘めた想いやエピソードを紹介しました。
参加した学生を代表して、高橋晴香さん(経済学部経営学科2年)と近藤来実さん(総合人間科学部社会学科2年)の二人が登壇し、選手と意見交換などを行いました。スポーツを通じて多様性理解を推進する学生団体「Go Beyond」※に所属する二人が、団体の取り組みを発表したのち、選手たちにキャリアに関する悩みやトップに立った後の目標に関する質問を投げかけました。両選手は、自らの経験をもとに丁寧に寄り添いながら答え、学生たちにエールを送りました。
※「Go Beyond」は東京2020オリンピック・パラリンピックをきっかけとして、障がいの有無や年齢などに関わらず、誰もが輝ける共生社会の実現に向けて活動している学生団体。今年の活動目標として、来年開催されるパリ2024オリンピック・パラリンピックへ東京のレガシーをつなげることを掲げ、最近では自治体や企業とコラボしてさまざまなイベントを行っています。
プログラムの後半では、スポーツクライミングとスケートボードの競技体験会を実施しました。1号館前S-TERRASSE(Sテラス)には、クライミングボードとスケートボードパークが設置され、野中選手・堀米選手が学生たちの手を取りながら直々に競技のコツを伝授。参加者はお互いにに声援を掛け合い、失敗しても笑顔で挑戦を続ける姿も見られました。二人の選手がパフォーマンスを実演する場面では、プロの巧みな技に会場から大きな拍手が上がりました。参加した学生にとって、トップアスリートとの交流や、未経験のスポーツへの挑戦など、多くの刺激を受けた貴重な一日となりました。