上智大学Sophia Future Design Platform推進室では、昨年度に続き、UC Berkeley Executive Education(以下Berkeley Exec Ed) とUC Berkeley’s Haas School of Business(以下Berkeley Haas)との共催により、短期ビジネスコース「Innovation Boot Camp」を11月17日~20日の4日間で実施しました。
UC Berkeleyは、ビジネス、科学、技術などのさまざまな分野で世界をリードする全米トップの州立公立大学であり、これまでにノーベル賞受賞者を100 名以上輩出していると同時に、全米大学の中で最もスタートアップを生み出している大学でもあります。同校のビジネススクールとして1898年に創設されたBerkeley Haasは、2025年9月に発表されたBloombergビジネスウィーク誌の米国MBAランキングで全米3位に位置し、シリコンバレーでの経験豊富な世界クラスの教員陣と、最先端のイノベーションとビジネス研究で知られています。なお、本学の故・緒方貞子名誉教授(元JICA理事長)はUCバークレーで博士号を取得されています。
本学では、産学協働の学びの場を創成する企業会員制の教養講座「プロフェッショナル・スタディーズ(PS)」の会員企業からの要望をはじめ、大企業におけるイノベーション創出に関するプログラム開講へのニーズが高かったことから、イノベーションやイントレプレナーシップ教育において世界トップレベルを誇るBerkeley Haasとの共催により、新たなエグゼクティブ教育の実現に向けて2024年度から本コースを開始しました。
Berkeley Haasからは、昨年度に引き続き、組織の柔軟性やダイナミックリーダーシップ等を専門とするDr. Homa Bahramiと、企業の成長・イノベーションや破壊的技術(AI等)の戦略的展開等を専門とするDr. Saikat Chaudhuriが参画。本学からは、シリアルアントレプレナーであるとともに、世界銀行グループをはじめ複数の組織で要職を歴任した西口尚宏特任教授が講師を務め、Berkeley Haasのセッションで学んだことを自身の組織で実践するための振り返りを行いました。主な受講者は、PS会員企業および本学関係企業の役員、部長、および若手幹部候補層。製造、金融、航空・運輸、建設、コンサルティングなど多様な業種28社から58名のビジネスリーダーが集いました。
Dr. Chaudhuriのセッションでは、起業家のインタビューをもとに成功する起業家のマインドセットや条件について考えた後、既存企業におけるイノベーション経営の課題および社内外からのアプローチ方法についてケーススタディを実施。日本は文化的な強みやロボティクス、ディープテック等の分野において世界をリードできる優位性を既に持っているとして、受講者に強いエールを送りました。併せて、シリコンバレーの前例に倣う必要はなく、日本におけるイノベーション創出に向けたエコシステムを構築することが重要であると強調しました。また、近年AI導入を試みた30社以上の多国籍企業の事例に基づき、組織がAIを戦略的に取り入れる際に障害となり得る課題や陥りがちな7つの落とし穴と、導入準備状況を明確に測定するための指標を説明した後、自社が現在どのステージにあり次にどのようなアクションを取るべきかについてグループディスカッションを実施。このセッションでDr. Chaudhuriは、「新たな技術の導入を考えるとき、成功するリーダーは、技術を使って何を実現したいか、それをどのような人材とどのような方法で行うかという組織作りと戦略論に長けている」と説明しました。
Dr. Bahramiのセッションでは、VUCA時代におけるイノベーションの課題を踏まえたうえで、教授が約12,000人のイノベーションリーダーに対して行った現場調査から導いた成功するイノベーターの5つの適応DNAを紹介。事前に受講者が受検したアセスメントテストの個人結果を各々に配付し、受講者同士や歴代の成功者の結果と比較しながら、チームのイノベーション向上のためにどの適応DNAを活用・実践していきたいかグループで話し合いました。また後半は、イノベーションを推進しステークホルダーと上司に影響を与えるためのケーススタディを行うとともに、実践的なステップやチェックリストを紹介。受講者のこれまでのイノベーション推進に関する最高/最低の経験を振り返り、そこから得られた実践的な教訓を全体で共有しました。この中でDr. Bahramiは、「イノベーションは最初から完璧な大成功を目指すのではなく、小さな成功(ベビー・ステップ)を積み重ね、自信と信頼性を構築することで、最終的に大きな変革に繋がる」と受講者にメッセージを送りました。
西口特任教授による最終日のセッションでは、自社での実践に向けて会社ごとのグループに分かれ、ディスカッションを通してBerkeley Haasのセッションでの学びを構造化。本コースの集大成として、変革の旅をデザインし未来を創るという視点から、2030年の自社のプレスリリースというテーマで各社がプレゼンテーションを行いました。プログラムの最後には修了式が行われ、本コースを修了した受講者に対し、本学およびBerkeley Exec Ed連名の修了書が手交されました。
本コースでは、全プログラムを通してセッションごとにグループメンバーを変更し、毎回異なるメンバーと議論ができる環境が提供されました。いわゆるコンフォートゾーンに留らず、自分とは異なる業界や価値観を持つ人から学ぶという「クロスポリネーション(相互受粉)」の考え方にも通じています。
各日プログラム後に実施したネットワーキングにはほぼ全員の受講者が参加し、毎日の交流に加えて、更なる異業種や異職種同士の活発な交流の場となりました。受講者の満足度アンケートにおいても、イノベーション創出のための戦略や組織論を世界最先端の知見から体系的かつ実践的に学ぶことができたと、昨年に引き続き高評価を得ることができました。Innovation Boot Campが受講者とその所属企業、そして日本のイノベーションエコシステムに与えるインパクトの大きさを実感しています。
Innovation Boot Campはアンケートで大変高い評価をいただき、全ての評価項目で6以上のスコア(7段階評価)を獲得したBerkeleyプログラムに与えられる「Club 6」ステータスを昨年度に続き2年連続で取得しました。スコア平均値も、昨年比上昇しています。
<全体>
<各セッション>
2026年度も11月16日(月)~19日(木)の日程で、Berkeley Exec EdおよびBerkeley Haasとの共催によりInnovation Boot Campを実施する予定です。詳細については、Sophia Future Design Platform推進室の公式サイトでご案内します。
学事局 Sophia Future Design Platform推進室(プロフェッショナル・スタディーズ事務局)Email: prostudies-co@sophia.ac.jp
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カリフォルニア大学バークレー校Haasビジネススクールとの「Innovation Boot Camp」を実施しました