8月2日から13日の日程で、本学と協定校の香港中文大学による連携プログラムがオンラインで実施され、本学学生3人と同大で観光学やホテル経営学を学ぶ9人の計12人が参加しました。
今回のプログラムは、バーチャルツーリズム(仮想旅行体験)がテーマ。新型コロナウイルス感染症の拡大により、従来型の旅行や観光の在り方が大きく変わったことを踏まえ、新たなバーチャルツーリズム企画を提案する課題が提示され、両校混合の2チームが、日本政府観光局(JNTO)香港事務所に勤務する本学卒業生からの助言を得ながらグループワークに取り組みました。
期間中、視聴者に没入感を伴った映像体験を提供する実写VR映像制作の第一人者として知られる株式会社コンセントの渡邊徹氏や、香港中文大学の卒業生で旅行代理店を経営するルーカス・レオン氏がゲストスピーカーとして登壇しました。また、凸版印刷が丸の内に構える観光立国・地方創生の実現にむけて日本の新たな価値を生み出す、共創・発信スペース「NIPPON GALLERY TABIDO MARUNOUCHI」をバーチャル訪問する機会も提供されました。
最終プレゼンテーションでは、人気ゲームのポケモンGoを活用し日本と香港の文化を体験する新春イベント企画と、ビジュアルデータを活用して日本・香港間のフライトを表現しながら、両者の食文化を楽しむツアー企画の2案が発表されました。両校の教員をはじめとした審査員からは、学生ならではの着眼点と大胆な発想が高く評価され、参加学生にとっては貴重な学びの場となりました。
コーディネーターを務めた経済学部経営学科の網倉久永教授は、「完全オンラインでのプログラムなので、どこまで教育効果が得られるか、実施前には危惧していました。しかし、最終成果の水準の高さから、両校の学生は真摯に課題に取り組み、チームとして創造性を発揮してきたことが伺えます。オンラインで信頼を築き、友情を育むスキルを習得してもらえました」と振り返りました。
参加学生の声
経営学科1年生
英語のスピーキングとリスニングの力を伸ばしたかったからという理由で参加を決めました。プロジェクト中は、これまでの英語学習の中心だったリーディング、ライティングとは違う能力が必要とされ、苦労しました。また、自分は海外に行ったことがないのですが、香港の学生との話を通じて、海外からの視点での日本のイメージを知ることができ、外から日本を見直す体験ができたことが面白いと感じました。
経済学科1年生
長期の留学を経験した事がなく、自分の英語力がどこまでなのかを試したかったから参加を決めました。また、「新しい観光の在り方を考える」というプログラムのコンセプトに非常に強い興味を持ったことも参加を決めた理由となりました。やはり英語には苦労しました。グループディスカッションでは単語を調べる時間はなく、伝えたい事が香港チームに伝わらず、もどかしく感じることも多かったです。面白かった事はグループディスカッションを通して香港の大学生と文化や大学生活、どのような勉強をしているのかを話したことです。このプログラムを通して得た新たな知識と友人を大切にしていきたいです。
経済学科1年生
香港大学を受験するほど、元々香港そのものに興味を持っていました。また、経済学部以外の学生との交流をしてみたかったというのもあります。オンライン環境かつフレキシブルでサポーティブなグループメンバーだったので、楽しみながら学びを深めることができました。香港が抱える社会的な課題についても垣間見え、コミュニケーション時の言葉に配慮する必要性を感じることもありました。香港と上智という組み合わせの時点で既にワクワクしましたが、それ以上に自国以外のメンバーと観光に関して議論できたのが楽しかったです。単なる国際交流では無く、バーチャルツアーという作品を制作するのは、双方の理解に繋がって興味深かったです。