日常生活に多様な考えを取り込むプロセスが身に付いた台湾・オーストラリアへの短期留学

■名前:相原侑汰
■学部学科・学年(留学当時):国際教養学部国際教養学科1年
■留学時期:2023年8月、2024年3月
■留学先(国・大学):台湾・輔仁大學、オーストラリア・オーストラリア国立大学(ANU)
■留学形態:実践型プログラム(グローバルリーダーシップ・プログラム、オーストラリア・サミット・プログラム(パイロット実施時) )

上智大学では毎年多くの学生が日本を飛び出して世界各国に留学しています。言語、文化、生活習慣の違いを乗り越えた先に見えたものとは。留学した学生たちの声を集めました。

プログラムに参加しようと考えたきっかけは何ですか。

高校で環境問題に興味を持ち、そこから築き上げた知見を次に繋げたいという思いを抱いて上智大学に入学しました。入学後、上智大学の提供プログラムの多さに気がつき、活用したいと思っていたところ、台湾で開催されたグローバルリーダーシップ・プログラム(GLP)※1は海洋保全がテーマとなっており、参加を決めました。

※1 グローバルリーダーシップ・プログラムの実施国・地域は年度によって異なります。

留学先(国・大学)はどのように選びましたか

実践型プログラムのテーマ、そして金銭的なサポートの有無で決めました。台湾で気づいた多様性(D&I)が生むイノベーション、そしてジャカルタ※2で学んだイノベーション実現のための手段としての公共政策の有効性、そしてその両方を実践的に学べるオーストラリア・サミット・プログラム(テーマ:Diversity and Inclusion)への参加を決めました。

※2 台湾でのグローバルリーダーシップ・プログラムは複数の国から生徒が一堂に集う視点・価値観、それから生まれる多様な解決案に感銘を受け、その後、学外の「模擬ASEAN+Japan」というプログラムでジャカルタに渡航し、解決案実現の手段としての公共政策の有効性に気づきました。

留学前に不安に感じていたことはありますか。

両方1週間程度の短期プログラムであること、担当教員が引率すること、そして危機管理ガイダンスなど準備・管理が周到で安心してプログラムに参加できました。むしろ「楽しみ」という前向きな気持ちで渡航できました。

留学のために準備したこと、また、しておけばよかったと思う事はなんですか?

ANUプログラムが行われた会場にて

世界的なトレンドやプログラムのテーマにおける日本の立ち位置の把握をしてきました。日本への興味を引き出すためのお土産に加え、プログラム期間を超えた友好関係を築けるように準備をしました。一方で、実践型プログラムのテーマに関連すること以外の日本の情勢・現状をしっかり把握しておくべきだったと思います。把握できていた部分もありますが、語れる分野が偏っていました。上智大学、そして日本代表として最低限幅広く話せるようにするべきだったと思います。

大学や学生の雰囲気はどうでしたか。

GLP初日、上智の紹介や日本におけるプログラムテーマの事例などを紹介しました

台湾では空港にまで迎えにきてくれ、現地の学生は快く受け入れてくれました。プログラム時間中だけでなく夜の自由時間にも交流、そして現地の案内をしてくれました。プログラム会場となった大学の教室・設備は新しかった一方、海外であることから空調が強く、夏場でも長袖が必須でした。

どのように交友関係を広げていきましたか?

実践型プログラムということもあり、元々各校の代表のみが集う場だったので、少ない人数の中で密にコミュニケーションをとることができ、自然と距離が縮んでいきました。

授業の様子、学習内容、試験などは日本と比較して違いがありましたか?

やはり積極性が違うと感じました。日頃から考え、自分の意見をアウトプットすることに慣れている学生が海外には多く、ディスカッションのペースも早いと感じました。

学業以外でもっとも力を入れたことは何ですか。

ANUプログラムの昼休憩中にキャンパスを散歩しました

現地の文化や日常にできるだけ触れることを意識しました。プログラム自体は17、18時ごろに終わることがほとんどだったため、その後の時間の過ごし方を大切にしました。

留学先ならではの魅力や、新たに気付いた点は何ですか?

台湾の実践型プログラムは、5カ国から生徒が集まるという会議形式だったことから、幅広い繋がりを作れることが魅力的でした。オーストラリアでのプログラムの生徒はANUと上智からの参加のみでしたが、意見の多様さでは全く劣っていないことに気づいたことも大きな収穫でした。

留学の前後で比較して、成長できたと実感する点や意識が変わった点はどこですか?

GLPプログラム最終日、修了証書を受け取った後の集合写真

手段と目的についての意識が変わりました。オーストラリアのプログラムではD&Iをいかに促進できるかを、公共政策という手段で考えました。D&Iの実現が目的となってしまっていたのです。しかし、台湾での多様性が生むイノベーションの経験について振り返るうちに、D&I実現は目的(終着点)ではなく、手段であることに気づきました。イノベーションを生む手段としてD&I実現を捉えることでジブンゴトに捉えられるようになることに気がつきました。

留学経験は今後の人生にどう影響しそうですか?

GLPプログラムにて修了証書を受け取る様子

世界を舞台にして学ぶことの重要性を、身をもって感じることができました。他国との関わりの中で意見の多様性はもちろん、日常生活の違いから話し合いの進め方まで、さまざまなところで「違い」と出会うことができました。他人・他文化の良さを取り入れてゆくプロセスが段々と身についてきたことも実感できました。

留学に行こうか迷っている人に一言

留学先での出会い、経験はまさに一生物の財産となります。そして、留学先での学びは必ず次の未来につながるものとなります。留学支援が充実している上智の制度を活用しきろう!

上智大学 Sophia University