留学、課外活動、サークル、ボランティア、インターンシップ。夢をかなえるため、そして自分を成長させるため。大学でさまざまなことに挑戦した学生たちが語る入学から現在までの変化と成長を紐解きます。
思い描いていた将来像からよりワクワクする方へ。
好きなことに携わる仕事がしたい。働くことをイメージした時からずっと心の中にあり、私にとってそれは「子どもに物語を届けること」でした。
対象が子どもなのは、私が幼稚園児の時に生まれた弟がきっかけ。彼がまだ幼かった頃、教育番組の丸いパーツがただ動く映像を食い入るように見ている姿がとても印象的だったんです。当時は私も子どもでしたが、同じ番組を見ても何も感じなかったこともあり、「子どもだからこそ面白い世界があるのかな」と思うようになりました。この時から、子どもの世界への興味は色あせないままです。そして、物語を届けたい理由は、私自身が現実とは別の世界に入り込むことができる絵本や舞台鑑賞が昔から好きだからです。
そこで、インターンでも就職活動でも、放送局、出版社、エンタメ関連会社など、自分の「好き」をキーワードに進めていきました。特に憧れが強かった教育番組のイベントに参加したり、日本の放送局でアルバイトしたりするなど、自分なりに少しずつ知識を付けながら動いていく中で、物語を届ける方法は1つではないことに気付いたんです。例えば出版社なら、本はもちろん、映像や舞台など、様々な方法がある。複数のアプローチが可能な仕事に挑戦したい気持ちが強くなり、また仕事の幅が広がっていく未来への期待感もあったことから、集英社への就職を決めました。
好奇心のままに、まず動く。思わぬ収穫があるかもしれないから。
上智大学を選んだのも、子どもの世界への興味から。進路を決める際、心理学には子どもを対象にした学問がたくさんあること、上智なら発達心理から臨床心理まで幅広い先生がいらっしゃるので、多角的に人の心に向き合いながら勉強できると思い、入学しました。4年間の集大成としての論文は、専門家との共同研究という形で取り組んでいます。実際に幼稚園に足を運び、第一線で研究されている方々とお話しする中で、子どもたちの表面的な部分だけでなく、本質に踏み込む広い視野を得られたと思います。
学生生活で思い出深いのは、大学の掲示板で見つけた国際放送局のインターン。コロナ禍で留学の機会を逃した私にとって、世界が動いていることを改めて認識しただけでなく、たとえ文化や考え方が違っても人が集うと様々な交流が生まれることを実感することができました。この時、外国人上司の息子さんたちが日本の漫画やアニメのキャラクターが好きだと聞き、とても驚いたことを覚えています。バックグラウンドの違いを超えて響く日本のコンテンツ力の強さを感じ、いずれ私も人をワクワクさせる物語を世界に届けたい、と将来がより明確になった瞬間でした。
この4年間、少しでも興味があることは意欲的に挑戦してきました。特に大学の掲示板は定期的にチェックして、どんなプログラムがあるか知っておくと選択肢が広がると思います。もちろん挑戦には勇気がいりますし、時には失敗したことも。でも、もし失敗しても次に活かせばいいのではないでしょうか。私の場合、実際に足を運ばないと気付けないこともありましたし、その場所で出会った方々と話して新たな情報を得ることもありましたから。まずは臆せず動くことが大切だと思います。
【聖イグナチオ教会】
本学キャンパスに隣接し、日曜日には様々な国の言葉でミサが行われる、国際色豊かな教会。1999年に建てられた楕円形の主聖堂は命と復活の象徴である卵の形であり、キリストの復活を表現しています。
※この記事の内容は、2022年10月時点のものです。