4年ぶりの大規模開催 夏のオープンキャンパスで未来を見通す

高大連携担当副学長
経済学部経営学科 教授
西澤 茂

2023年夏のオープンキャンパスは、4年ぶりに制約なしで開催。これまでなかった新たな取り組みも始まります。「上智生になった未来」を高校生が描くために、参加時に持つべき観点、参加して得た経験の活かし方について、高大連携担当副学長が語ります。

対面型だからこそ体感できることがある

この3年間、種々の制約があったオープンキャンパスですが、2023年8月1日(火)と8月2日(水)に開催される「夏のオープンキャンパス」は、コロナ禍前の規模で開催できることになりました。来場者には、この「グローバルワンキャンパス」で体感してほしいことがいくつもあります。

 本学は都心部の大学には珍しく、文系学部と理系学部が同じキャンパス内にあります。コンパクトな規模なので、他学部の授業を受けるのも容易です。高校生はあえてオープンキャンパスで、自身の興味関心とは異なる学問分野の体験授業を受けてみることで、文理融合や様々な学問分野の共存・つながりがどのような意味を持つのか想像しやすくなるかもしれません。

 東京の中心地、四谷という立地の良さも体感してもらいたい点です。キャンパス内にあおぞら銀行の本店が入居していることをはじめ、周辺を少し歩けば、セブン&アイ・ホールディングス、ハウス食品、ヤフー、LINEといった名だたる企業の本社があり、インターンシップや会社説明会にも参加しやすい環境であることがわかります。

 そして来場型の最大の魅力が、在学生との対面です。当日は計300人以上の学生スタッフが、教職員とともにイベントを運営しています。学生の活動する姿、彼らが語る上智ライフは、高校生が自身の未来を想像するための、この上ないヒントになるはずです。学生スタッフの中に外国人留学生が当たり前にいる点も、上智らしいと言えるでしょう。留学生に対して、特別にスタッフとしての参加を呼び掛けたり、「外国人留学生と話せるコーナー」みたいなものを設けたりしなくとも、各学部のブースでは、日本人の先輩も外国人の先輩も高校生の皆さんからの相談を待っています。

2023年、新たに始める2つの試み

2023年は、通常のオープンキャンパスに加え、初めて、すべての授業を英語で行うEnglish-taught Programsに特化したオープンキャンパスを開催します。海外からの留学希望者の夏休みや海外の高校に通う日本人学生が一時帰国する時期にあわせて、7月8日(土)に実施します。日本にいながら英語だけで学べる3つの学部・コース、「国際教養学部」「SPSF」「理工学部英語コース」の特徴や魅力を知り、体験授業も受けられる貴重な機会となっていますので、たくさんの方々に参加していただきたいと思います。

 日本で学ぶ高校生も含め、将来、世界で活躍するグローバル人材を目指すにあたっては、拠点となる「ホーム」の存在が重要です。いつでも立ち返ることのできる原点があると、他者との違いを相対的に考えやすくなりますし、同じホームに仲間をつくることもできます。アクセスの良さ、卒業生のネットワークの強さなど、世界で活動するための拠点としての条件を満たしているか否かも、オープンキャンパスで確かめていただきたい点です。

 オンラインコンテンツと、1万人を超える大規模な来場型オープンキャンパスのハイブリッド開催も今年初めての挑戦です。私たちは、アフターコロナ時代における高校生向けイベントの在り方を模索してきました。首都圏だけでなく日本中、世界中の高校生に情報を届けたい、オンライン・対面の双方の強みを最大限活かして、より魅力的なオープンキャンパスにしたい。そうした思いを実現すべく、特設サイトを7月中旬に公開し、夏のオープンキャンパスと連動したコンテンツも公開する予定です。また、対面型のいくつかのプログラムについては、後日、アーカイブとしてご覧いただけるようにいたします。

 来場できない方はもちろん、来場する方も参加前に見れば当日の着眼点が広がるかもしれませんし、参加後は、当日体験しきれなかった内容を見たり、キャンパスを訪れたりして初めて気づいた点などの深掘りに利用することもできます。

 すべての高校生に私が勧めるのは、現時点で興味のない学部・学科のコンテンツも視聴してみることです。今は自分には向いていないと思っている対象でも、「意外と面白かった」と感じるかもしれません。志望学部・学科で学びたいと考えていたことが、別の学部・学科でも学べると気付くかもしれません。気軽に見られるオンラインコンテンツだからこそ、いつもと違うところに目を向けて、自分が本当に目指したいと思える進路を探す手がかりにしてほしいと思います。

大学生活に思いを馳せ、学びのデザインに生かす

入学後に歩む道、さらにはその先の将来を想像できるようになってほしいという思いで、私たちはオープンキャンパスを実施しています。アドミッション・ポリシーに掲げる「キリスト教ヒューマニズム精神」や「グローバル・コンピテンシー」とはどういった学び方、生き方を指すのか。オープンキャンパスに参加することによってイメージしやすくなるでしょう。

 上智大学が育てるのは、自らの人生を自らで切り開く人。大学は、さまざまな興味、関心に応える多様な学び、体験を用意します。ですが、それらをどのように選び取ってキャリアを形成していくのか、それを考えるのは皆さん自身であり、上智大学は決まったレールを敷きません。大学4年間を自身でデザインしてほしいのです。

 オープンキャンパスを通じて、上智での学びに想像を膨らませることは、4年間とその先の設計図を描くための重要な準備とも考えられるでしょう。

上智大学 Sophia University