自身の強みを生かせる3つの一般選抜方式。世界に羽ばたく一歩を上智大学で。

高大連携担当副学長
経済学部経営学科 教授
西澤 茂

2021年度の入試改革を経て、上智大学の入試は大きく変化を遂げました。それぞれの強みを生かせる受験方式を選択できるようになった一般選抜について、3つの方式の特徴と求める人物像、背景にある人材育成に対する想いを、入試を統括する高大連携担当副学長が語ります。

3つの一般選抜方式を通じて多様な学生に入学してほしい

年内の特別入試で重視しているのが学力プラスアルファの個性や経験、入学後のビジョンであるのに対し、一般選抜で重視しているのは基礎学力です。私たちが考える基礎学力とは、知識量だけを指すものではありません。文系なら人文・社会科学の基盤となる日本語や英語の表現力を、理系なら自然科学の基盤となる数学的素養を中心とした、対象を理解して自分なりに考えアウトプットする力を大切にしています。

本学の一般選抜は2021年度入試から大きく形を変え、3つの方式で実施しています。詳細は入試情報サイトをご覧いただきたいのですが、共通しているのは、様々な学生を受け入れてキャンパスの多様性を担保したい、という願いです。

「①TEAPスコア利用方式」は、事前に受験したTEAPまたはTEAP CBTのスコアと、本学独自の教科・科目試験の結果で総合的に合否判定を行う選抜方式です。求めているのは、4技能の英語力と基礎学力。最大の特徴は、入試日当日に「本学独自の英語試験」を行わず、提出されたTEAPスコアをそのまま得点化し合否判定に活用する点です。TEAPスコアが直接得点に反映されるため、英語4技能の実力が高ければそれだけ合格に近づきます。TEAPやTEAP CBTの受験機会はそれぞれ年3回ありますので、一回勝負ではなく、本来の英語力を確実に生かせます。また、全学統一日程入試のため、一度の試験で複数学科を併願できます。特に東京の大学を複数受験しようと考えている首都圏以外の受験生にとっては、負担が少なくメリットの大きい入試方式です。

「②学部学科試験・共通テスト併用方式」は、大学入学共通テストと本学独自の学部学科試験の結果で総合的に合否判定を行う選抜方式です。共通テストでは基礎学力を、学部学科試験では学部学科への適性を問う出題内容を通して、文章理解力や論理的思考力、表現力等を測ります。共通テストの結果を選考に取り入れた背景には、首都圏だけでなく日本全国の受験生に上智をめざしてもらいたいという想いがあります。独自の学部学科試験は、入学後の学びへの関心が鍵を握る内容です。思考力、読解力、表現力などを問う問題が多くを占めており、丸暗記ではない、日々の授業の深い理解を求めています。

「③共通テスト利用方式」は、従来の「センター利用入試」に相当する、共通テストの結果のみで合否判定を行う方式で、東京へのアクセスが難しい遠方の受験生も出願しやすいことが特徴です。当初の4教科型に加え、2023年度入試から、私大専願層にも受験しやすい3教科型を新設しました。

「②学部学科試験・共通テスト併用方式」「③共通テスト利用方式」いずれにも、外国語外部検定試験のスコアが利用できます。利用方法や得点換算の仕方は方式によって異なりますが、根底にあるのは、高校時代の努力を入試で評価したいという想いです。既に外国語検定試験を受験されている方にはご提出いただきたいですし、これから受験機会がある方にはぜひ力を入れて取り組んでほしいと思います。

世界への関心を胸に、全国から飛び込んできてほしい

新たな仕組みの一般選抜を実施して2年、新入生の英語力は確実に向上しています。共通テスト導入によって、全国の高校生が本学に目を向けてくれるようにもなりました。しかし、もっと多くの地域の高校生――例えば卒業後、地元に貢献したいと考えている人にこそ、上智を選択してほしいと考えています。

インバウンド需要を喚起するにせよ、産業にイノベーションを起こすにせよ、今後、地域を盛り立てるには、海外との交流や越境的な視野が欠かせません。また、一度グローバルな環境に身を置けば、外から見たローカルの魅力にも気付くことでしょう。

上智大学は、世界中の学生に出会えるキャンパスをグローバル都市東京の中心部に構え、海外の大学や研究機関はもちろん、国際機関やグローバル企業と接する機会も豊富です。各国・地域に広がるネットワークの一員として「世界」を体感すれば、その経験は地元の活性化にもきっと役立つはずです。

私たちは、多様性を楽しめる人、つまり、出身や言語、文化が異なる人と積極的に交わり、日常とは異なる環境にも果敢に飛び込める人を育成しています。高校生には高校時代に、授業や探究活動、部活動、進路学習などを通じて、世界の動向に関心を寄せていてほしいと思います。海外へと視野が広がることにより、今見えている世界は広い世界のほんの一部であり、抱いている価値観は数多ある価値観の一つでしかないことに気づくとともに、まだ見ぬ「他者」に対する興味の芽と寛容の心が育つことでしょう。

上智大学の4年間で潜在的な力を更に延ばすことができるのは、偏差値という物差しでは測りきれない、「基礎学力に加えて、旺盛な行動力や高い社会的関心を持つ学生」であると考えています。そうした学生に本学に入学いただけるよう、私たちは、高校卒業時における完成度ではなく、入学後の可能性を測る入試の策定を続けていきます。今持つ力にとらわれ過ぎず、世界への、そして、未来への熱い想いを胸に扉をたたいてください。

上智大学 Sophia University