イスパニア語学科

広大にして多彩なイスパニア語圏を「ことばと地域研究」の両面からとらえる

学科の特色

イスパニア語を公用語とする地域は、ヨーロッパ(スペイン)、南北アメリカ大陸(メキシコほか16カ国)、カリブ海地域(キューバ、ドミニカ共和国、プエルトリコ)、そしてアフリカ(赤道ギニア)というように世界中に広がっています。さらに国際連合の公用語の一つに数えられるほか、アメリカ合衆国においても、ヒスパニック人口が急増し、イスパニア語とその話者の存在感は大きくなっています。

イスパニア語学科では、そうしたイスパニア語およびイスパニア語圏についての専門的知見と高い異文化コミュニケーション能力を兼ね備え、世界を複眼的かつ相対的に捉えられる人物を育成しています。

カリキュラムの特徴

ゼロからの学びを前提とした段階的なカリキュラム構成で、着実に言語運用能力を習得する

「第一主専攻」の「専攻語科目」で、イスパニア語の4技能(読む、聞く、書く、話す)を段階的に積み重ねます。上級生は読解、口頭表現、作文など技能別に開講されている科目から、一人ひとりが伸ばしたい力を選択して学ぶことも可能です。あわせて「イスパニア語圏基礎科目」では、イスパニア語圏を知るうえで重要となるスペインの歴史など、イスパニア語圏に関する基礎知識を習得します。

「第二主専攻」では学生一人ひとりが関心のある「研究コース」を選択し、開設科目群を履修することで、ある地域や学問分野についての系統的な学習と研究を行います。最終学年ではこれらの成果を卒業論文にまとめます。

※科目の詳細については、シラバスをご覧ください

科目紹介

基礎イスパニア語Ⅰ・Ⅱ

1・2年次の必修科目です。イスパニア語の基本的な文法と語彙を身につけて、4技能(読む、聞く、書く、話す)の基礎を習得するとともに、イスパニア語の学習方法についても学びます。

西・西米文学史

ネイティブ教員がイスパニア語で行う2年次の必修科目。イスパニア語圏文学の歴史を概観するとともに、作品の断片を鑑賞してその豊かな世界を知り、作品の背景となった文化や社会について考えます。

総合イスパニア語A

新聞記事などを教材に文化や時事問題を取り上げながら、より高度な文法構造を学習し、文章作成能力を高めます。その後、実際に作文を行い、ネイティブ教員からの評価を受けます。

イスパニア語圏研究入門

イスパニア語圏基礎科目で最も基礎的な部分を担う授業です。研究活動を行ううえで必要となる知識、研究方法、論文・レポート執筆スキルなどを身につけ、その後の履修計画や研究の基盤とします。

西概史

イスパニア語圏を理解するために重要な、古代から現在に至るスペインの歴史を概観。現代のスペインを深く理解するだけでなく、イスパニア語圏へ留学予定の学生にとっては前提知識にもなります。

西米概史

イスパニア語圏・ラテンアメリカの研究を行うために重要な、イスパノアメリカ史の基礎を学びます。

取得可能な教員免許と教科

  • 高等学校教諭1種(イスパニア語)

学芸員課程が履修できます。

学生の研究テーマ例

  • 日本とラ米の法律におけるフェミニズム
  • 16世紀スペインのカトリック信仰
  • グアテマラのマヤ系先住民女性
  • 北米の日系自動車関連企業
  • バスク地方における外国語としてのバスク語教育
  • 在日フィリピン人のアイデンティティ形成
  • サグラダ・ファミリアの社会的位置づけ
  • イスパニア語教科書における動詞serとestar
  • アルゼンチン社会のカトリック教会
  • スペインのスポーツ紙におけるジェンダー表象

教育の目的・方針

イスパニア語の高度な運用能力を養い、地域研究、言語研究等の専門研究の基礎となる幅広い教養(人文・社会科学、イスパニア語圏に関する基礎知識)を修得すること

イスパニア語の高度な運用能力を基礎として、グローバル化する社会に貢献しうる人物、並びに地域研究、言語研究等の専門家を養成すること

本学科は、学生が卒業時に身につけているべき能力や知識を次のように定めています。卒業要件を満たせば、これらを身につけたものと認め、学位を授与します。

卒業時において全員がヨーロッパ言語参照枠(CEFR)におけるB2相当(海外の大学で学べるレベル)に到達し、それに加えできるだけ多くの者が同C1相当(海外の大学院で学べるレベル)に到達することを目標とします。

 

  1. イスパニア語の「聞く」「読む」に代表される受容的言語活動(receptive activities)に関する能力
  2. イスパニア語の「話す」「書く」に代表される産出的言語活動(productive activities)に関する能力
  3. イスパニア語の会話や交渉に代表される相互行為活動(interactive activities)に関する能力
  4. イスパニア語の通訳・翻訳などに代表される仲介活動(mediating activities)に関する能力
  5. イスパニア語圏の歴史・政治・経済・社会・文化・文学・言語について、世界での位置づけや特徴および日本との関係や比較を踏まえて理解する能力

本学科では、ディプロマ・ポリシーに沿って、次の趣旨を盛り込んだ科目によってカリキュラムを編成しています。

 

  1. 【第一主専攻・必修科目(基礎イスパニア語I、II)】1年次、2年次を通してイスパニア語の4技能「聞く、読む、話す、書く」の基礎を学ぶ。「読む」「書く」能力の養成を中心とした、文法、講読、作文の講義・演習形式の授業と、「聞く」「話す」力を身につけさせることに主眼を置いた口頭での実践的練習に重きを置いた授業を通して、イスパニア語の運用能力の土台を作る。ネイティブスピーカーの教員と日本人教員とが協働してあたるため、初修言語修得に効率的な学習が可能である。学生はいずれの授業においても、能動的な授業参画が前提であり、授業中および授業外における主体的な学習が求められる。
  2. 【第一主専攻・必修科目(総合イスパニア語)】3・4年次では、「話す・聞く」「読む」「読む・話す」「書く」「読む・書く」といったスキル別に各自が強化したい分野を選択して履修し、イスパニア語の運用能力をさらに高める。1・2年次で修得したイスパニア語の基礎的能力を用いて、さらに実践的かつ応用的なイスパニア語の運用能力を身につけさせる。授業は実践的な教材を用いた講義形式の読解や、視聴覚教室を活用した聴解能力を高める聞き取りや書き取り、グループでのコミュニケーションやプレゼンテーション、ディベートなど、多様な形式で行われる。ネイティブスピーカーの教員の授業における使用言語はイスパニア語が中心であり、学術的内容をイスパニア語で学習させる。日本人教員の授業では、より高度な内容の文献講読などを通して、上級文法への目配りや語彙力の強化にも重きが置かれる。
  3. 【第一主専攻・語圏基礎科目】主に1・2年次において,イスパニア語が使用される国や地域(=イスパニア語圏)における歴史・政治・経済・社会・文化・文学・言語に関わる基礎的な知識の修得をめざす。授業形式は講義が中心であるが、グループワークやプレゼンテーションなども実施される。また本科目群に含まれる「イスパニア語圏研究入門」では、文献検索やレポート作成などの基礎的リテラシーを身につけさせる。
  1. イスパニア語圏の言語・歴史・政治・経済・社会・文化などに関心を持ち、イスパニア語の高度な運用能力を身に付けることを望む学生を求めます。
  2. 基本的に、イスパニア語学科においてイスパニア語の学習を開始したい学生を求めています。すでに何らかの形でイスパニア語の学習経験のある学生で、改めて体系的に学ぶことを通じ、その運用能力の向上に真摯に取り組む姿勢を持つ学生も受け入れます。
  3. イスパニア語と英語の実践的な運用能力を基盤として、外国語学部が設けている9つの「研究コース」のいずれかにおいて、自ら選んだ領域やテーマについて専門的に掘り下げることを期待します。

教員一覧

長谷川 ニナ 教授

研究分野 日本とラテンアメリカにおける文化的価値観の比較研究

幡谷 則子 教授

研究分野 ラテンアメリカの現代社会-都市と農村の民衆組織と社会運動-
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松原 典子 教授

研究分野 スペイン近世美術史、特に16・17世紀の絵画、彫刻、美術理論

西村 君代 教授

研究分野 スペイン語形態論、スペイン語文法記述
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谷 洋之 教授

研究分野 ラテンアメリカ経済論、メキシコ地域研究
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内村 俊太 教授

研究分野 スペイン近世史、16世紀における歴史編纂
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Aingeru AROZ 准教授

研究分野 社会言語学、言語学史
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Antonio DONAS 准教授

研究分野 スペイン中世文学、文献学、思想史
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Nancy Eunice ALAS MORENO 助教

研究分野 ラテンアメリカ法、比較法学

上智大学 Sophia University