異文化同士の交渉、新文化生成の具体相など文化研究を多角的に行う

文化交渉学専攻は上智大学創立以来の重要な目標「東西文化の交流に資する」姿勢をさらに広く捉え、具体的に実践しようとするもので、さまざまな文化間の交渉の姿を跡づけし、新しい文化が生み出されていく過程を詳しく研究することを目的としています。

グローバル化が進む中、多元文化相互の接触や交渉に、幅広い観点から目を向ける必要性が高まっています。同時に、文学研究やジャーナリズムの世界においても、より広範な視点で研究を深めることが求められ、さらに、異文化交渉の重要な手段として、翻訳の意義を改めて考える必要も出てきています。

カリキュラムの特徴

文学を取り巻くさまざまな文化交渉のありようを従来の枠組みを超えて検討し、文化交渉や異文化同士の接触などをダイナミックに捉えることを目指します。この目的を果たすため、異文化交渉の実態をあらゆる角度から検討するとともに、新たな文化創造に必要な要素を探り出すことに力点を置きます。

また、文化交渉学専攻は、すでに文学研究科にある各専攻の領域を、「文化交渉」という学問的柱のもとに連携させるものです。文学研究科の他専攻と積極的に交流し、より多元的な文化理解を進めます。

授与学位

  • 博士前期課程:修士(文学)
  • 博士後期課程:博士(文学)

科目紹介

異文化研究特講

文化交渉学研究の基礎となる異文化をどのように捉えるかをテーマに、さまざまな文化の特質、文化形成の歴史的な経緯などを検討します。

文化交渉学特講

諸文化が出会うときに起きる軋轢や、受け止める様相などを見つめ、そこから新しい文化創造に向かうことがある点に着目して検討する文化交渉学専攻の中心となる科目群です。

翻訳文化研究

さまざまな交流、理解、文化交渉の手段の一つであり、新しい文化創造の契機にもなる翻訳。その影響、重要性や多様性などについて検討します。

芸術文化研究

「文化研究」あるいは「カルチュラル・スタディーズ」と呼ばれる、より広範な見地からの文学研究の成果を意識しつつ、文化交渉や文学同士の出会いを検討します。

文化交渉学専攻の特色

養成する人材

文化交渉の本質を理解し、多様な文化同士のあるべき交渉に資する研究者を養成することを第1の目的とするとともに、第2に、異文化交渉を通じて新たな文化創造の基盤となる基礎研究に従事する人材を養成することも視野に入れます。

この2つの大きな目標を達成するために、異文化研究の方法、文化交渉の特質などを理解する科目を用意するとともに、さまざまな文化交渉のありようを従来の枠組みを超えて検討し、文化交渉や異文化同士の接触などをダイナミックに捉える科目や、文化交渉の重要な手段としての翻訳を多様な角度から検証することを目指す科目も用意しています。

各分野の専門教員が集まる

専任教員は、各専攻および文学部教員の中から選出、さらに兼任教員として、学内の人文学系を専門とする教員に、神学や美学を専門とする教員も加えます。また、学外からも、比較文学、翻訳文化の専門家、文学と美術の関係史を専門とする教員、美術を専門とする学芸員などを非常勤講師として迎えます。さらに文学を含む芸術文化の特質を理解して、さまざまな媒体による「アーカイブ」の取り扱いにも習熟する人材を養成することを目指します。

修了生の最近の主な研究テーマ

  • 近代における日中コーヒー文化の比較─ 東京と上海を比較して─
  • ハワイの沖縄系移民たちの活動と沖縄とのつながりについての一考察
  • 管弦楽曲から総合芸術へ─ ベルリオーズ《幻想交響曲》に見られるオペラ性─
  • ウェイリー訳 The Tale of G enji における〈光〉のイメージ
  • 清代の宮廷における御容の使用と制作について
  • 歌舞伎の鑑賞体験─ 海外のまなざしを頼りに─
  • 『造洋飯書』からみる中国における外来語受容方法の変遷

教育の方針

博士前期課程

本課程では、学生が修了時に身につけるべき能力や知識を次のように定めています。修了要件を満たし論文審査に合格すれば、これらを身につけたものと認め、学位を授与します。

 

  1. 修士論文の作成にあたって、先行研究を十分にふまえ、既存の学問領域の枠にとらわれずに、適切なテーマを設定する力
  2. テーマ設定に基づき、その解決のために必要な資料を読解し分析する能力
  3. 緻密な分析、論旨の整備等がそなわった明快な論文を作成する力

博士後期課程

本課程では、学生が修了時に身につけるべき能力や知識を次のように定めています。修了要件を満たし論文審査に合格すれば、これらを身につけたものと認め、学位を授与します。

 

  1. 博士論文において、先行研究を十分にふまえ、緻密な分析にもとづき、独自に新しい学説を打ち出す力
  2. 博士論文の核になる論文を、学会における発表や、雑誌論文への投稿によって、積極的に世に問う力
  3. 修了後も、研究者としての自覚をもって、必要に応じて海外で活動するなど、研究を深化させる力

博士前期課程

本課程では、ディプロマ・ポリシーに沿って、多元文化相互の接触や交渉に、幅広い観点から目を向けるよう、以下の趣旨を盛り込んだ科目によってカリキュラムを編成しています。

 

  1. 異文化をどのように捉えるのかをテーマに、さまざまな文化の特質、文化形成の歴史的経緯などを研究する。
  2. 文化交渉の手段の一つであり、新しい文化創造の契機にもなる翻訳について、文学と芸術の関わりを含めて研究する。
  3. 諸文化が出会うときに生じる軋轢や、受けとめる様相などを見つめ、新しい文化創造に向かう過程に着目して研究する。
  4. 研究、論文作成の基本に習熟するために、「論文作成法」を履修し、修士論文作成にそなえさせる。

博士後期課程

本課程では、ディプロマ・ポリシーに沿って、本専攻の特色を生かした博士論文作成に向けて、資料の読解、テーマの深化、論文作成の要諦などを教授するよう、以下の趣旨を盛り込んだ科目によってカリキュラムを編成しています。

 

  1. 前期課程で積み上げた基礎知識や修士論文の成果をふまえて、さらに高度な研究をさせる。
  2. 開講科目の履修と個別指導を通じ、研究者としての自覚をもたせ、文化創造の基盤となる資料の取り扱いに、さらにみがきをかける。

博士前期課程

本課程は、次のような資質を持つ学生を求めています。

 

  1. さまざまな文化に強い好奇心をもち、さらに、各文化間の交渉の様相や、交渉の結果生じる変容等に興味をもつ学生
  2. 哲学、文学、史学等、文科系の既存の学問領域を越え、あるいは、科学技術といった理科系の分野まで含めた幅広い文化のありように関心をもつ学生
  3. 英語または日本語で、修士論文を作成しなければならないため、論理的思考能力と、当該語学の基礎的な作文能力を有する学生

博士後期課程

本課程は、次のような資質を持つ学生を求めています。

 

  1. 修士論文の成果を発展させ、さらに高度な研究を行なって、博士の学位取得をめざす意欲のある学生
  2. 研究を深めるとともに、常に研究領域の拡大を考えて、新たな視野から国際的な文化理解に資するように努力する学生
  3. 自己の研究成果を、学会における発表や、雑誌論文への投稿を通じて、積極的に公にする姿勢をもつ学生

教員一覧

長田 彰文 教授

研究分野 [ 日本近現代史 ] 戦前期の日本政治外交史、アジア太平洋国際政治史を研究。著書:『世界史の中の近代日韓関係』

Dominic CHEETHAM 教授

研究分野 [ 児童文学の東西比較 ] 英語教育を専門とするが、英日の文学同士の比較研究にも力を入れる

三輪 玲子 教授

研究分野 [ ドイツ演劇と日本における受容 ] ドイツ文学を専門とするとともに、演劇の東西交流に焦点をあてて研究する

木村 洋 准教授

研究分野 [ 日本近代文学 ] 西洋の文学や思想との影響関係を視野に入れながら、日本の文学を研究する

實谷 総一郎 助教

研究分野 [ フランス文学・比較文学 ] エミール・ゾラを専門としつつ、日仏の文学、美術の交流について研究を行っている

上智大学 Sophia University