学校法人上智学院について
理事長メッセージ
「希望はわたしたちを欺くことがありません」という言葉は、今の時代にふさわしいメッセージです。教皇フランシスコは聖パウロの言葉を引用し、全ての人々に向けた励ましのメッセージを発表しました。
今日、世界は暴力と侵害、気候変動などの人為的な悲劇による様々な課題に直面しており、希望に満ちた社会に焦点を当てることが一層重要になっています。キリスト教ヒューマニズムに基づく本学の建学の理念と教育精神は、より良い未来に向けた教育、研究、社会貢献活動を行うための指針となっています。2019年に教皇フランシスコが上智大学のキャンパスを訪れ、直接私たちに語りかけてくださったことを特別な思い出として心に刻んでいます。
上智学院の歩みは、1549年に聖フランシスコ・ザビエルが日本に到着し、知識への強い渇望と学びと教育を通じて日本社会に貢献する重要性を認識したことから始まりました。カトリックの男子修道会であるイエズス会の創設メンバーの一人であった聖フランシスコ・ザビエルの「日本のミヤコに大学を」というビジョンは、最終的に1913年に上智大学を設立したイエズス会の司祭たちに受け継がれました。
1973年には上智短期大学(現在の短期大学部)が設立され、そして2016年には栄光学園中学校・高等学校、六甲学院中学校・高等学校、広島学院中学校・高等学校、上智福岡中学高等学校が上智学院の一員となりました。
上智学院は、学校法人の長期計画「グランドレイアウト3.0~2030年に向けて」(2023-2030)の中で、10のコミットメントを宣言しました。これらは”Sophia—Bringing the World Together”という建学の理念と「他者のために、他者とともに」という教育精神に根ざしており、グローバルコミュニティを育成し、複雑な課題に対応できる学生を育てることを目指しています。
これらの取り組みを共に進めるために、特に私たちのビジョンとミッションを共有する世界中の機関とのネットワーキングと協力を通じて、Magis(より良い=イエズス会のモットー)の精神でのご協力とご支援をお願い申し上げます。
学校法人上智学院 理事長
サリ・アガスティン

[プロフィール]
上智学院理事長、総合グローバル学部総合グローバル学科教授。
カリカット大学(ケーララ、インド)で政治学および ンジャーナディーパヴィディアーピーダ(JDV)大学(プネー、インド)で哲学の学士号を取得後、上智大学神学部神学科を卒業。
その後上智大学外国語学研究科地域研究専攻博士前期・後期課程修了。博士(地域研究・政治学)。2009年神学部准教授、2016年総合グローバル学部総合グローバル学科教授、2017年学生総務担当副学長、2018年上智学院総務担当理事を経て2023年5月に上智学院理事長に就任。
イエズス会と教育事業について
イエズス会の設立
イエズス会は、スペイン・バスク地方出身のイグナチオ・デ・ロヨラが、フランシスコ・ザビエルをはじめとするパリ大学での同志6人と共に創立したカトリック男子修道会です。1540年に教皇パウロ3世から正式認可を受けました。キリストの教えを伝えることを目的とし、教皇の派遣命令に対して絶対的な従順を誓いました。ヨーロッパのみならず、新たな大陸の存在が知られる時代にあって、世界のいかなる土地にも宣教に赴きました。また、カトリック教会の刷新のために開催されたトリエント公会議にも派遣されました。
イエズス会と教育事業
イエズス会は創立の当初から学校教育の重要性を認め、1548年にシチリアのメッシーナで最初の学校を開設しました。その後、ヨーロッパ各地で学校教育を始め、イグナチオが亡くなる1556年までに31校の学校・大学が設立され、海外宣教地にも設立されました。その教育方法はイグナチオ自身の信仰体験をもとに著わされた『霊操』に基づくもので、物事をより深く知り、何をなすべきかを決断し、実践する方法です。そして、“他者のために、他者とともに生きる”ことを目指します。このような教育方針に基づく学校は、2021年現在、世界78カ国に展開され、2,300の中等教育機関、90の大学を含む約200の高等教育機関がネットワークで結ばれ、163万人以上の青少年が学んでいます。