「第7回上智大学国連Weeks」が5月29日から6月9日まで開催されました。「国連の活動を通じて世界と私たちの未来を考える」をコンセプトに毎年開催されており、今回は高校生を含め、のべ1,000人以上の来場者がありました。

パネルディスカッション「報道の自由とジャーナリストの保護」

国連特別報告者David Kaye氏

6月2日、四谷キャンパス国際会議場で「表現の自由」に関する調査を担当する国連特別報告者David Kaye氏を迎え、シンポジウム「報道の自由とジャーナリストの保護」が開催されました。

世界中の「表現の自由」について調査を担当してきた同氏は、現在、テロや過激派の活動の活発化や、「フェイクニュース」の横行といった状況さえもが悪用され表現の自由が揺るがされるケース、例えば、そのような状況に乗じて、政府が言論やプライバシーを制限するといったケースが多発していると懸念を示しました。

そのような傾向のなか、日本の報道においては、改善の余地はあるものの、明るい展望が期待できると話しました。シンポジウムに参加した多くの学生に、表現の自由を守るために自分たちは何ができるのか、政府にどのように働きかけることができるのか真摯に向き合ってほしいと呼びかけました。

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シンポジウム「国連と多国間主義の将来」

基調講演で、デイビッド・マローン国連大学長は国連の歴史を振り返りながら、その意義と必要性を強調。後半は長谷川祐弘元国連事務総長特別代表や東大作グローバル教育センター准教授ら5人が登壇し、英国のEU離脱や米国のアメリカ第一主義など、多国間主義の現状と未来について議論しました。

マローン国連大学長

キャリアトーク「国際機関と国際協力分野でのキャリア形成」

国連機関や国際協力分野の第一線で活躍している、上智大学国際協力人材育成センターのアドバイザリーネットワークの8人が登壇。自身のキャリアや活動などを紹介した後、トークセッションを行い、参加学生や高校生と交流しました。

登壇者を囲んで交流する

平和構築セミナー「フィリピン・ミンダナオ和平と日本の貢献」

日本が多大な貢献を行っているミンダナオ島での和平プロセスについてセミナーを開催しました。はじめに、国際開発ジャーナル社の中坪央暁氏が現地報告を行い、その後、実際に経済開発に関わっている企業とJICA(国際協力機構)の担当者、フィリピン地域研究者の川島緑総合グローバル学部教授が登壇し、それぞれの立場から復興への関わり方について発表と質疑応答を行いました。

川島教授による現地報告

シンポジウム「緊急時における教育支援-人道支援NGOの役割とこれから」

前半はシリア出身のNGOスタッフと小松太郎総合人間科学部教授が、シリアの現状と教育の問題について対談しました。後半のパネルディスカッションでは、日本を代表するNGOの関係者4人が登壇。緊急時における教育支援の必要性やNGOの役割を議論し、会場からも多くの質問が寄せられました。終了後には、学生・高校生と登壇者らによる茶話会も開催しました。

会場は多くの高校生を含む300人以上の来場があり、大盛況となりました。

シリアの教育問題を語る

トークセッション「SDGs達成に向けた国連機関とグローバル企業の先進的取組」

最終日は上智大学が加盟しているグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンと共同で持続可能な開発目標(SDGs)に対する取り組みを紹介するセミナーを開催しました。サラヤ株式会社の更家悠介代表取締役社長が、同社の取り組みについて基調講演を行い、その後、浦元義照グローバル教育センター特任教授のモデレートのもと、富士通とUNDP(国連開発計画)、アシックスとILO(国際労働機関)、日本マイクロソフトとUNICEF(国連児童基金)の協働の取り組みを、各プロジェクト担当者が紹介しました。

協働の取り組み事例を紹介

上智大学 Sophia University