上智大学では6月6日から11日まで「上智大学国連Weeks」としてさまざまなイベントを開催しました。これは、国連が世界で展開している活動を知ることで、世界が抱える現実とこれからの未来について学ぶことを目的としたものです。

ILO(国際労働機関)写真展「”No One Should Work This Way”:Preventing the Abuse of Domestic Workers」

テープカットの様子

6月6日から11日まで、2号館エントランスロビーにて、写真展「“No One Should Work This Way”:Preventing the Abuse of Domestic Workers」(誰にもこんな思いはさせたくない:家事労働者の虐待防止)が開催されました。2011年に家事労働者の権利に関するILOの条約が発効しましたが、現在の批准国は20カ国に達しておらず、日本も批准していない状況です。報道カメラマンのスティーブ・マッカーリー氏による作品を通じて、今も続いている家事労働者虐待の現実について直視し考えることを目的に開催されました。

初日にはオープニングセレモニーが開催されました。グローバル教育センターの浦元義照特任教授の司会のもと、早下隆士学長、ILO駐日代表の田口晶子氏、および日本労働組合総連合会(連合)総合男女平等局長の井上久美枝氏が挨拶し、テープカットが行われました。

フォトジャーナリスト×国際協力のプロ 「イラクの今を伝える ~紛争下に生きる人々を追って~」

フォトジャーナリストの安田菜津紀氏

6月6日、国際協力機構(JICA)と上智大学国際協力人材育成センターが共催、「なんとかしなきゃ!プロジェクト」の協力により、「フォトジャーナリスト×国際協力のプロ イラクの今を伝える~紛争下に生きる人々を追って」を開催しました。在学生のほか、高校生や一般の参加者を含め、175人の参加がありました。

イベントは2部構成で行われ、第1部はフォトジャーナリストの安田菜津紀氏(2010年総合人間科学部教育学科卒業)と、前JICAイラク事務所長でJICA企画部援助協調室長の原昌平氏が講演を行いました。

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シンポジウム「多文化社会構築への挑戦-ボスニア・ヘルツェゴビナの今」

質問に答えるパネリスト

6月9日、外務省、在日ボスニア・ヘルツェゴビナ大使館の後援を受け、シンポジウム「多文化社会構築への挑戦-ボスニア・ヘルツェゴビナの今」を開催し、会場は200人を超える参加者で満席となりました。

シンポジウムは2部構成で行われました。第1部の初めに、司会のグローバル教育センターの山﨑瑛莉助教と、広島大学の片柳真理教授がボスニアの歴史や現状を解説。その後、紛争後の民生面を統括する国際機関・OHR上級代表のヴァレンタイン・インツコ氏がこの日のために収録したメッセージと、元サッカー日本代表キャプテンの宮本恒靖氏、バルカン室内管弦楽団音楽監督の柳澤寿男氏、教育学科の小松太郎教授の3氏によるトークセッションがビデオ上映されました。

会場入口横では展覧会「All We Coukd Have Done『私たちにできたこと(そしてこれからできること)』」を開催。東サラエボ大学芸術アカデミーの学生と、ボスニアのアーティスト ムハメッド・カフェジッチ氏の作品30点余りが展示されました。

シンポジウム「開発と人道援助における日本と市民社会の役割-世界人道サミットを受けて」

講演する大島賢三氏

6月10日、シンポジウム「開発と人道支援における日本と市民社会の役割─世界人道サミットを受けて」が、上智大学と日本国際連合学会の共催で、2号館国際会議場にて開催されました。

世界人道サミットは、紛争や自然災害などにより危機に瀕している人達を救うための会議で、173カ国から代表が集まり、5月23・24日にトルコにて初開催されました。

基調講演では元国連大使でアフリカ協会理事長の大島賢三氏が登壇。大島氏は世界には現在6,000万人もの難民、避難民がいることを説明。彼らに対する国連の取り組みを、以前所属していた国連人道問題調整事務所(OCHA)における経験を交えて解説しました。

パネルディスカッションでは、日本UNHCR協会理事長の滝澤三郎氏、元国連開発計画(UNDP)事務次長補で法政大学の弓削昭子教授、難民を助ける会理事長で立教大学の長(おさ) 有紀枝教授が登壇しました。実際にサミットへ参加した長教授が報告を行い、滝澤氏は難民問題の視点から、弓削教授は開発の立場から発表を行いました。

なお、11日には 日本国際連合学会 が同会場で開催されました。

上智大学 Sophia University