第1章
ローマ教皇と上智大学
上智大学はカトリックの大学であり、歴史を紐解くと、ローマ教皇との関わりには大変深いものがあります。
本学の設立に重要な役割を果たしたヨゼフ・ダールマン神父は、1905年当時の教皇ピオ10世に謁見した際、日本における高等教育機関の設立の必要性を説きました。その結果、教皇は、日本におけるカトリック大学の設立をイエズス会に要請し、1913年に本学が開校することになったのです。
イエズス会はカトリック教会の男子修道会で16-17世紀に急速に発展し、ヨーロッパを中心に数百の学校を開設しました。日本にキリスト教を伝えた聖フランシスコ・ザビエルもイエズス会の宣教師で、その活躍は良く知られています。
1.関連年表
1540年
9月
教皇パウロ3世がイエズス会設立を認可
イエズス会の初代総長に聖イグナチオ・デ・ロヨラ就任
教皇パウロ3世がイエズス会設立を認可
イエズス会の初代総長に聖イグナチオ・デ・ロヨラ就任
1549年
8月
聖フランシスコ・ザビエル来日
ザビエルは日本人の資質を高く評価し、イエズス会員宛の書簡で日本での大学設立の願を伝える
聖フランシスコ・ザビエル来日
ザビエルは日本人の資質を高く評価し、イエズス会員宛の書簡で日本での大学設立の願を伝える
1903年
10月 本学の設立に重要な役割を果たしたヨゼフ・ダールマン神父が学術調査のため初来日 |
![]() 教皇ピオ10世 |
1905年
7月 ヨゼフ・ダールマン神父が日本での調査結果を教皇ピオ10世に報告 |
![]() 開校時の赤煉瓦校舎 |
1906年
8月
教皇ピオ10世がイエズス会に対し、日本でのカトリック大学の設立を要請
教皇ピオ10世がイエズス会に対し、日本でのカトリック大学の設立を要請
1913年
4月
上智大学開校
上智大学開校
1981年
2月25日 教皇ヨハネ・パウロ2世来校 |
![]() 教皇ヨハネ・パウロ2世を歓迎(正門) |
2013年
3月13日
イエズス会出身の教皇フランシスコ就任
イエズス会出身の教皇フランシスコ就任
9月25日
本学使節団が教皇フランシスコに謁見
本学使節団が教皇フランシスコに謁見
2017年
12月18日
映像回線を通じた「教皇フランシスコと話そう」開催
映像回線を通じた「教皇フランシスコと話そう」開催
2019年
11月26日
教皇フランシスコ来校
教皇フランシスコ来校
2.教皇ヨハネ・パウロ2世来校(1981年2月)

第264代教皇 ヨハネ・パウロ2世
在位期間 1978年10月~2005年4月
1981年2月、当時の教皇ヨハネ・パウロ2世はローマ教皇として初来日しました。そして、滞在中の2月25日午前7時20分、教皇は本学を訪れました。この訪問は、あらかじめ決められたスケジュールにはない、まさに「電撃訪問」でした。
資料の音声からは、教皇のユーモアあふれる演説に喜び沸き立つ関係者の声が聞かれます。
演説のなかで教皇は「ソフィア」という言葉を何度も用い、本学への期待を述べています。演説全文は上智大学通信からご覧いただけます。
資料の音声からは、教皇のユーモアあふれる演説に喜び沸き立つ関係者の声が聞かれます。
演説のなかで教皇は「ソフィア」という言葉を何度も用い、本学への期待を述べています。演説全文は上智大学通信からご覧いただけます。

早朝にもかかわらず約500人が駆けつけました。

※教皇の演説は8:40頃から
資料番号:デジタル映像・音声_061

教皇ヨハネ・パウロ2世のメッセージ

教皇ヨハネ・パウロ2世の来校のエピソードは、上智大学公式ウェブサイトのWebで知る“SOPHIA”でも紹介しています。
3.教皇フランシスコと上智大学
2013年3月、フランシスコが第266代教皇に選出されました。南米出身という点だけでなく、イエズス会出身者としてもはじめてのことでした。イエズス会を設立母体とする本学は、就任当初から教皇フランシスコと交流を重ねていました。
資料は、2013年11月1日の本学創立100周年にあたり、教皇から送られたメッセージです。フランシスコ・ザビエルとの出会い、教皇ピオ10世との関係を振り返ったうえで、現代の大学が果たすべき使命について述べています。
資料は、2013年11月1日の本学創立100周年にあたり、教皇から送られたメッセージです。フランシスコ・ザビエルとの出会い、教皇ピオ10世との関係を振り返ったうえで、現代の大学が果たすべき使命について述べています。
こうした交流のなかで実現したのが、2017年12月18日に開催された本学学生とのオンライン対話イベント「教皇フランシスコと話そう」です。
代表学生の質問に対し「大学における勉強の目的とは何か」など真摯に答えています。
ここでは映像と記事(上智大学通信)を紹介します。
代表学生の質問に対し「大学における勉強の目的とは何か」など真摯に答えています。
ここでは映像と記事(上智大学通信)を紹介します。

前日の12月17日に81歳の誕生日を迎えた教皇を祝して“Happy Birthday”をスペイン語で合唱して贈りました。

上智大学通信第423号 2018年(平成30年)1月29日発行
