2006年度上智大学シラバス

2006/02/28更新
◆ドイツ文学特講Ⅶ(ロマン主義2) - (後)
佐藤 直樹
○科目サブタイトル
ドイツ・ロマン主義の美術
○講義概要
19世紀ドイツ・ロマン主義の美術を対象に講義する。C.D.フリードリヒやナザレ派など、ドイツのロマン派たちは戸外での写生に励み、完成作としての風景素描を多く残した。この点に着目することで、フランスのロマン主義美術との差異が明らかになる。また、当時の文学や科学との密接な関係によって生じたロマン主義のもつ多面性についても、作品に即しながら広く考察をおこなっていく。
○評価方法
後期学期末試験(授業期間中)(100%)
○参考書
以下に挙げた3冊の参考書は必読ということではなく、授業の理解を深め、さらなる知識を得るために有効なものである。
ロバート・ローゼンブラム『近代絵画と北方ロマン主義の伝統−フリードリヒからロスコへ−』岩崎美術社、1988年
H. J. ナイトハルト『ドイツ・ロマン主義絵画』講談社、1984年
佐藤直樹ほか編集『ドイツ・ロマン主義の風景素描』国立西洋美術館、2003年
○必要な外国語
ドイツ語初級程度
○他学部・他学科生の受講
可 (西洋美術史の概説的な知識があることが望ましい。)
○授業計画
1イントロダクション−ロマン主義とはなにか?
西洋美術史におけるロマン主義の位置
講義の概要と予定
2素描家としてのゲーテ
彼が美術家をあきらめた理由
3ドイツ・ロマン主義の誕生
ノヴァーリス、ティーク、ヴァッケンローダーと美術
スタール夫人のドイツ論
4フィリップ・オットー・ルンゲと初期ロマン派画家たち
時間の表現、神秘主義的宗教観
5カスパー・ダーヴィット・フリードリヒ(1)
初期作品、セピア画家としてのスタート、芸術都市ドレスデン
6カスパー・ダーヴィット・フリードリヒ(2)
テッチェン祭壇画とフリードリヒの宗教観、ラムドア論争
7カスパー・ダーヴィット・フリードリヒ(3)
風景素描とモンタージュ:ロマン主義における写実とは何か
8カスパー・ダーヴィット・フリードリヒ(4)
月をみる二人の男:描かれた月の表現
自然科学とロマン主義の美術
9フリードリヒとカール・グスタフ・カールス
ノルウェーの画家ヨハン・クラウゼン・ダールとドレスデン
10ナザレ派:イタリアの明るい光を求めて
ローマのドイツ人画家たち、ナザレ派はロマン主義なのか?
11ユリウス・シュノル・フォン・カロルスフェルトとオリヴィエ兄弟
フランス人画家アングルとの関係
12試験

  

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