2006年度上智大学シラバス

2006/03/06更新
◆東洋美術史 - (前)
板倉 聖哲
○科目サブタイトル
北宋絵画史研究
○講義概要
 東アジア絵画を特徴付ける大きな現象として水墨画があげられる。日本においても古典となったこのモノクロームによる絵画表現は中国からもたらされたものである。
 本講義では、水墨画の発生した唐時代から水墨山水画の黄金時代である北宋末までを対象とし、その時代の名品を取り上げて、さまざまな角度から検討を加えて、その時代の相貌を概観する。それらは中国のみならず東アジア絵画の古典的な存在であり、適宜、それらと日本絵画を比較して、日本が何を受け入れ、何を拒絶したかという、相対的な視点の中で日本絵画の特質をも見ていくことにする。
○評価方法
出席状況(10%)、レポート(90%)
○テキスト
授業時毎にプリントで指示。
○参考書
ここでは入手もしくは参照しやすい、図版が参照できるものを示す。
下記のもの以外は授業時毎にプリントで指示。
鈴木敬『水墨美術大系2巻 李唐・馬遠・夏珪』講談社 1978年
藤田伸也『故宮博物院 第1巻 南北朝~北宋の絵画』NHK出版 1997年
小川裕充 ほか『世界美術大全集東洋編5 北宋・遼・西夏』小学館 1998年
○必要な外国語
なし
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1中国絵画とは?-授業の見取り図
2唐時代青緑山水画の展開
3呉道子と王維-水墨画の発生条件
4溌墨-8世紀江南のアクション・ペインティング
5董源と巨然-江南系山水画の展開
6李成と范寛-華北系山水画の隆盛
7郭煕「早春図」の達成
8「風流天子」徽宗皇帝の藝術に見る射程
9喬仲常「後赤壁賦図巻」の史的位置
10「清明上河図巻」-中国風俗画の最高傑作

  

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