2006/02/24更新
○講義概要 |
史学教養演習で得た知識を前提に、日本古代史の基礎史料(六国史、律令格式、正倉院文書、出土文字資料、説話集など)を読解し、論文執筆に必要な能力を習得させる。具体的には、各史料の影印を参加者に割り当て、翻刻・校訂から始めて各種事典類・注釈書類を使っての読解作業、当該史料の解説と研究史などについて調査し発表してもらう。単に〈書かれたもの〉の向こう側にある〈史実〉を一般化するのではなく、〈書く〉という行為やその現場について、具体的に復原しながら考えてゆく。また、それぞれの報告とそれに対する討論をめぐって、日本古代の社会、文化、国家体制に対する総合的な理解を目指す。
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○評価方法 |
出席は前提である。レジュメの内容、発表の仕方、質疑応答の態度を中心に、授業全体への貢献度(他の報告者への質問・意見、討論の内容)などから総合的に評価する。
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○参考書 |
授業の進行状況、各自の報告の準備や達成度に応じて適宜指示する。 歴史学研究会 編『日本史史料 1/古代』岩波書店、2005年 池田温 編『日本古代史を学ぶための漢文入門』吉川弘文館、2005年 木下正史・石上英一 編『新版古代の日本 10/古代資料研究の方法』角川書店、1993年
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○授業計画 |
1 | ガイダンス:史料を読むこととは |
2 | 史書を読む1(神話―『古事記』『日本書紀』の相違) |
3 | 史書を読む2(7世紀の政治・社会と『書紀』の編纂) |
4 | 史書を読む3(8世紀の政治・社会と『続日本紀』の編纂) |
5 | 地誌を読む(『風土記』と在地社会) |
6 | 律を読む(『律』の意味と体系) |
7 | 令を読む(『令集解』と古代の法解釈) |
8 | 格を読む(史/格をめぐる史料批判) |
9 | 式を読む(宮廷祭儀の執行) |
10 | 正倉院文書を読む(文書行政の実際) |
11 | 金石文を読む(東国の碑文) |
12 | 木簡を読む(荷札から呪符まで) |
13 | 墨書土器を読む(呪術と祭祀) |
14 | 説話集を読む(『日本霊異記』にみえる古代社会) |
15 | まとめと反省 |
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