○講義概要 |
上田秋成は、浮世草子作者として出発し、初期読本の代表作「雨月物語」を作り、さらに最晩年の「春雨物語」へと、自己の文学を深めていった作者である。こうした秋成文学の変遷を知ることは、近世小説の変化を辿ることとも重なる大切が課題である。今学年度は、秋成文学をその処女作から最終作品まで順次読んで討議を重ね、秋成文学の全体像を把握しようと試みる。授業に参加する者は、発表者はもちろんのこと、そうでない者も、十分に予習をしてきて討議に参加してほしい。
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○評価方法 |
出席状況(20%)、授業参画(30%)、レポート(50%) 授業での発言を重視する
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○テキスト |
浅野三平ほか編『秋成作品選』 おうふう 2003年重版
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○参考書 |
大輪靖宏『上田秋成;その生き方と文学』春秋社 1982年刊 中村幸彦ほか編『上田秋成全集』中央公論社 1990年より刊行中 中村幸彦『日本古典文学大系「上田秋成集」』岩波書店 1959年刊
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○授業計画 |
1 | 上田秋成の人生とその背景 |
2 | 上田秋成文学概説 |
3 | 上田秋成文学を支える思想 |
4 | 諸道聴耳世間猿(1)要害は間にあはぬ町人の城郭 |
5 | 諸道聴耳世間猿(2)器量は見るに煩悩の雨舎り |
6 | 世間妾形気(1)米市は日本一の大湊に買積の思ひ入 |
7 | 世間妾形気(2)二度の勤は定めなき世の蜆川の淵瀬 |
8 | 世間妾形気(3)息子の心は照り降り知れぬ狐の嫁入 |
9 | 雨月物語(1)白峯 |
10 | 雨月物語(2)菊花の約 |
11 | 雨月物語(3)浅茅が宿 |
12 | 雨月物語(4)夢応の鯉魚 |
13 | 前期のまとめ |
14 | 雨月物語(5)吉備津の釜 |
15 | 雨月物語(6)青頭巾 |
16 | 癇癖談 |
17 | 春雨物語(1)血かたびら |
18 | 春雨物語(2)二世の縁 |
19 | 春雨物語(3)目ひとつの神 |
20 | 春雨物語(4)死首のゑがほ |
21 | 春雨物語(5)捨石丸 |
22 | 春雨物語(6)宮木が塚 |
23 | 春雨物語(7)樊噲(上) |
24 | 春雨物語(8)樊噲(下) |
25 | 後期のまとめ |
26 | 予備日 |
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By:上智大学学事部学務課
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