2005年度上智大学シラバス

◆国文学演習Ⅳ - (通)
大輪靖宏
○科目サブタイトル
上田秋成文学研究
○講義概要
上田秋成は、浮世草子作者として出発し、初期読本の代表作「雨月物語」を作り、さらに最晩年の「春雨物語」へと、自己の文学を深めていった作者である。こうした秋成文学の変遷を知ることは、近世小説の変化を辿ることとも重なる大切が課題である。今学年度は、秋成文学をその処女作から最終作品まで順次読んで討議を重ね、秋成文学の全体像を把握しようと試みる。授業に参加する者は、発表者はもちろんのこと、そうでない者も、十分に予習をしてきて討議に参加してほしい。
○評価方法
出席状況(20%)、授業参画(30%)、レポート(50%)
授業での発言を重視する
○テキスト
浅野三平ほか編『秋成作品選』 おうふう 2003年重版
○参考書
大輪靖宏『上田秋成;その生き方と文学』春秋社 1982年刊
中村幸彦ほか編『上田秋成全集』中央公論社 1990年より刊行中
中村幸彦『日本古典文学大系「上田秋成集」』岩波書店 1959年刊
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1上田秋成の人生とその背景
2上田秋成文学概説
3上田秋成文学を支える思想
4諸道聴耳世間猿(1)要害は間にあはぬ町人の城郭
5諸道聴耳世間猿(2)器量は見るに煩悩の雨舎り
6世間妾形気(1)米市は日本一の大湊に買積の思ひ入
7世間妾形気(2)二度の勤は定めなき世の蜆川の淵瀬
8世間妾形気(3)息子の心は照り降り知れぬ狐の嫁入
9雨月物語(1)白峯
10雨月物語(2)菊花の約
11雨月物語(3)浅茅が宿
12雨月物語(4)夢応の鯉魚
13前期のまとめ
14雨月物語(5)吉備津の釜
15雨月物語(6)青頭巾
16癇癖談
17春雨物語(1)血かたびら
18春雨物語(2)二世の縁
19春雨物語(3)目ひとつの神
20春雨物語(4)死首のゑがほ
21春雨物語(5)捨石丸
22春雨物語(6)宮木が塚
23春雨物語(7)樊噲(上)
24春雨物語(8)樊噲(下)
25後期のまとめ
26予備日

  

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