2005年度上智大学シラバス

◆国文学特講Ⅵa - (前)
高橋修
○科目サブタイトル
明治三十年代「家庭小説」の研究(1)
○講義概要
メロドラマの遙かなる故郷である明治三十年代の家庭小説を取り上げる。現代のテレビドラマはそれらの何を引き継ぎ、何を切り捨てたのか。主に取り上げるのは、当時一世を風靡した『不如帰』『金色夜叉』など。こうした明治三十年代の小説の構造を丁寧に追っていくと、現在評判をとっている純愛ドラマにも通じる物語のセオリーも見えてくると思われる。前期はその前史ともいうべき作品を読む。
○評価方法
出席状況(10%)、授業参画(10%)、リアクションペーパー(10%)、レポート(70%)
○テキスト
金子明雄編『週間朝日百科世界の文学92『金色夜叉』『たけくらべ』』 朝日新聞社 2001
○参考書
高橋修他編『ディスクールの帝国』新曜社 2000
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1イントロダクション――メロドラマとは何か
2家庭小説前史――観念小説
3樋口一葉の文学『十三夜』を読むⅠ
4『十三夜』を読むⅡ 玉の輿結婚の行方
5『にごりえ』を読むⅠ 構造分析の試み
6『にごりえ』を読むⅡ 都市と空間
7『にごりえ』を読むⅢ 一葉的〈終り〉
8映画『十三夜・にごりえ』をめぐって
9『金色夜叉』を読むⅠ 構造分析の試み
10『金色夜叉』を読むⅡ 消費社会と欲望
11『金色夜叉』を読むⅢ メディア・ミックス
12『金色夜叉』を読むⅣ 終われない〈終り〉
13映画『金色夜叉』をめぐって

  

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