2005年度上智大学シラバス

◆国文学特講Ⅱa - (前)
三田村雅子
○科目サブタイトル
〈記憶〉の中の源氏物語
○講義概要
西暦1005年前後に成立した源氏物語は、1000年に及ぶ享受史の厚みを持っています。源氏物語がそれぞれの時代にどのような人々によって、どのように読まれ、享受され、再演され、変容されていったかを考えることは、それ自体日本の文化史の流れをたどることでもあります。この時間は、源氏物語と密接に絡み合った天皇制の歴史をたどりながら、文化史の中の力学の観点から、カノン(聖典)として君臨してきた源氏物語の意味を問いかけます。さらにジェンダー論の視座から捉えるとその問題はどう捉えられるかについても考えていきます。
○評価方法
出席状況(20%)、リアクションペーパー(20%)、前期学期末試験(授業期間中)(60%)
○テキスト
三谷邦明・三田村雅子共著『源氏物語絵巻の謎を読み解く』 角川選書・1998
○参考書
百川敬仁・小谷野敦・三田村雅子・徳丸吉彦『『江戸文化の明暗』』風間書房・2002
三田村雅子『〈記憶〉の中の源氏物語』『新潮』新潮社・2004・4~現在
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1源氏物語の成立
2源氏物語豪華本の制作
3堀河天皇のころーー諸本の分裂ーー
4源氏物語絵巻の成立
5青表紙と河内本
6鎌倉の源氏学
7後堀河院の絵合
8後嵯峨院の時代
9阿仏尼の源氏朗読
10『とはずがたり』の源氏物語享受
11『とはずがたり』源氏を生きる
12後醍醐天皇の源氏物語学
13期末試験

  

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