2006年度上智大学シラバス

2006/02/19更新
◆東南アジア史B(近現代) - (後)
根本 敬
○科目サブタイトル
東南アジアにおける軍と政治ビルマ、タイ、インドネシアの比較考察
○講義概要
東南アジアの近現代政治史を「軍と政治」というテーマを切り口に講義する。具体的には、1990年代初頭まで軍部による政治への介入が存在したタイ、かつてのスハルト開発独裁を支えた国軍がいまでも政治ににらみを効かすインドネシア、そして現在も軍事政権下にあるビルマの3国を取り上げる。これらのうち特にビルマを重点的にとりあげ、同国の軍の性格を他国の軍の特質と比較し、また彼らが抑圧を続ける民主化指導者アウンサンスーチーの思想と行動を検証したうえで、両者の比較もおこなう。全体の歴史的背景として、植民地統治、ナショナリズム、日本占領期、冷戦、開発主義、民主主義と人権についても触れる。
○評価方法
授業参画(10%)、後期学期末試験(定期試験期間中)(90%)
○テキスト
以下の2冊を用いる。最初のクラスまでに入手しておくこと。
桐山昇、栗原浩英、根本敬 (共著)『東南アジアの歴史:人・物・文化の交流史』 有斐閣・2003年
田辺寿夫、根本敬(共著)『ビルマ軍事政権とアウンサンスーチー』 角川書店(新書)・2003年
○参考書
授業の中で紹介する。また、必要に応じ、参考資料をプリントしてクラスで配付する。
○必要な外国語
英語
○他学部・他学科生の受講

○ホームページURL
なし
○授業計画
1(1)クラス・オリエンテーション
(2)東南アジアに関する基礎知識<前半>
2東南アジアに関する基礎知識<後半>
3タイの近現代政治史<1> 上からの近代化とその政治的意味
4タイの近現代政治史<2> 第二次世界大戦と戦後政治
5タイの近現代政治史<3> 開発主義と軍の位置、民主化への過程
6インドネシアの近現代政治史<1> 
 オランダ統治期、日本占領期、スカルノ期
7インドネシアの近現代政治史<2> 
 スハルト期における開発主義と軍の位置、スハルト後の状況
8ビルマの近現代政治史<1> 英領期の特質とナショナリズムの台頭
9ビルマの近現代政治史<2> 日本占領期と独立後の混乱
10ビルマの近現代政治史<3>
 国軍の政治介入とビルマ式社会主義、1988年の民主化運動
11ビルマの近現代政治史<4>
 軍事政権の論理と行動、国際社会の中の孤立
12ビルマの近現代政治史<5>
 アウンサンスーチーの思想と行動:軍政の論理との比較
13総合討論

  

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