2006年度上智大学シラバス

2006/02/18更新
◆東南アジア史A(前近代)1 - (前)
桜井 由躬雄
○科目サブタイトル
歴史地域学入門
○講義概要
東南アジア地域における自然環境と人文環境の相互作用によって、歴史が形成されるという視点から、前5世紀から13世紀ごろまでの東南アジア全体の歴史形成を授業する。
○評価方法
出席状況(50%)、レポート(50%)
○テキスト
パワーポイントを中心とし、原則として文字テキストは用いない。
○参考書
桜井由躬雄
『東南アジアの歴史』 放送大学教育振興会
2002年
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1文化と文明、世界と地域、景観など、東南アジア歴史地域学を考えるための必要な概念を説明する
2東南アジア概念の成立 東南アジアという名辞の成立を考える
3海の熱帯としての東南アジアの気候条件と地政学的な位置を論じ、東南アジアが一つの地域世界を形成する意味を考える
4地域としての東南アジア 文化形成の基礎としての大陸部の地形と自然景観を説明する
5地域としての東南アジア 島嶼部の地形と自然景観を説明する
6原史時代の東南アジア 最初の東南アジア文化であるドンソン文化と社会を稲作の拡大という視点から考える。
7東南アジアの初期国家 中国史書に描かれる1-6世紀までの東南アジアの国家形成のありかたを考える。
8海の古代国家 7-8世紀の現インドネシアに起こったシュリーヴィジャヤ、シャイレンドラなど海の王国を中心に海の世界形成を論じる。
9陸の古代国家 同時期のドゥヴァラバティ(タイ)、ピュー(ビルマ)、プレアンコール(カンボジア)、安南都護府など、陸域に形成された国家群の性格を考える。
10海の時代 10-11世紀、ジャンク、ダウ、三角帆の改良により、華人の海、ムスリムの海、ラテン人の海に世界の海が棲み分けられていく中での東南アジアの意味を考える。
11港市国家の時代 海の時代の始まりとともに、無数の港市国家が東南アジアの海域に出現する。
12大建築の時代 11-12世紀を中心に、陸域での大ネットワーク国家の出現をアンコールと、パガンを中心に考える。
13東南アジア中世 東南アジア中世がなにを生み出して、次の大交易の時代に連続していくかを考える。

  

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