2006/04/15更新
◆フランス文化研究C-1(ホロコーストとフランス) - (前)
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三浦 直希
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○科目サブタイトル |
ドイツ占領下のフランスと、ナチスのユダヤ人絶滅政策
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○講義概要 |
ホロコースト(またはショアー)とは、ナチスによるユダヤ人大虐殺を指す言葉である。 フランスは、長いあいだ差別され迫害されていたユダヤ人を完全に平等な市民として受け入れた最初の国であり、現在ヨーロッパで最大、世界でも第三位のユダヤ人居住国となっている。しかしそのフランスも、第二次大戦のドイツ占領下ではナチスに協力し、国内に無数の強制収容所を建設し、ユダヤ人狩りを行い、アウシュヴィッツなどへと送りこむ手助けをした。その結果、フランスでも8万人近いユダヤ人が犠牲になったとされる。 なぜこのような悲劇が起きたのか。ユダヤ人はなぜ憎まれたのか。フランスにおいて、ユダヤ人とはいかなる存在だったのか。ナチスに対し、フランス人たちはどのようにふるまったのか。そしてこの惨劇は、戦後から現代にかけてのパレスチナ問題や反ユダヤ主義とどのようにかかわっているのか。以上の点について、事実としての歴史を検証しながら講義を行う予定である。同時に、ノーベル平和賞作家エリー・ヴィーゼルのテクストや、フランスにおける強制連行を扱った映画なども用いながら、この未曾有の出来事について考察してみたい。
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○評価方法 |
出席状況(30%)、授業参画(30%)、レポート(40%)
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○授業計画 |
1 | イントロダクション |
2 | ユダヤ人とはいかなる人々か――起源と歴史 |
3 | ヴィーゼルを読む(1) |
4 | フランスとユダヤ人(第二次世界大戦までの状況) |
5 | ヴィーゼルを読む(2) |
6 | ドイツにおけるユダヤ人迫害の開始とフランスの敗戦 |
7 | ヴィーゼルを読む(3) |
8 | ヴィシー政府と反ユダヤ政策1 |
9 | ヴィーゼルを読む(4) |
10 | ヴィシー政府と反ユダヤ政策2 |
11 | ヴィーゼルを読む(5) |
12 | フランス人、ユダヤ人の抵抗運動(レジスタンス) |
13 | まとめ――ホロコーストがもたらしたもの |
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