2006年度上智大学シラバス

2006/02/27更新
◆医療経済学Ⅰ - (前)
泉田 信行
○講義概要
 現在最も重要な社会問題である医療・介護制度の抱える諸問題の基本的な面について講義する。統計資料を用いて現実に直面している問題を解説し、ミクロ経済学のツールを用いて問題の構造を明らかにする。本講義は後期に行われる医療経済学Ⅱの講義と一体的なものであり、双方を受講・修了することで医療・介護にかんする一体的な知識が習得できると考えている。
 本講義の単位修得を希望する学生は、①自分が医療・介護制度に対して抱く疑問や興味を持って講義に参加し、講義中に行われるディスカッションに参加することが要求される。その上で、②医療制度や関連する諸制度にかかわる膨大な量の知識の習得、③制度が経済主体にもたらすインセンティブの効果を分析するための分析能力の習得が求められる。
 受講者が少人数の場合、評価はレポートの内容によって決定される。講義への出席は敢えて求めていない。また評価の対象ともならない。
 なお、医療経済学Ⅱの講義の受講には医療経済学Ⅰの講義に参加していることが求められる(詳細は医療経済学Ⅱのシラバスを参照のこと)。
○評価方法
授業参画(20%)、リアクションペーパー(30%)、レポート(50%)
受講者数が多い場合にはレポートはテストによって代替される。
○テキスト
講義時にレジュメを配布する。テキストという位置づけのものは使用していない。
○参考書
ミクロ経済学の基礎を習得するための参考書は各自で好みのものを使って欲しい。ひとつめはミクロ経済学分析の基本的な知識習得に便利、ふたつめは基礎的な知識の習得に必須、である。
漆博雄編『医療経済学』東京大学出版会,1998年
厚生労働省監修『厚生労働白書各年版』ぎょうせい
○必要な外国語
none
○他学部・他学科生の受講

○ホームページURL
http://www.asahi-net.or.jp/~mk8n-izmd/sophia/sophia.html
○授業計画
1人の一生と医療との関わり:講義ガイダンス
2医療需要の経済学的説明:健康資本論
3患者の受診と価格の関係:医療需要関数について
4患者の医療機関選択
5期待効用仮説と保険理論
6医療保険の性質と経済学的帰結
7保険者の分析:費用構造とリスク構造
8生産と費用:費用最小化と利潤最大化
9医療機関の組織と行動の分析
10診療報酬と薬価制度(価格規制)
11医療提供体制
12専門職の技術評価と育成

  

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