2006年度上智大学シラバス

2006/01/19更新
◆法律学特殊講義Ⅱ (信託法) - (前)
杉浦 宣彦
○講義概要
わが国の信託をめぐる状況は、一昨年の信託業法改正、また、本年度内に国会に提出が予定されている信託法改正で大きな転換期を迎えている。しかし、信託法理はもともと英米法からきており、わが国の法体系の中ではやや特殊な位置にある。そこで、まず、講義前半においては信託法理の基礎的な部分を説明し、後半からは、信託法や信託業法の改正、ならびに信託ビジネスの新しい展開と法との関係など、前半で得た知識を応用した内容の講義を展開し、単なる信託法の講義ではなく、広く「信託」というツールの活用方法についても紹介し、信託の新しい方向性を受講者に示す予定である。なお、信託の使われ方を理解してもらうために、信託を活用した基礎的な流動化の理論まで実例を含めて解説する予定なので、金融法や会社法等、商法系の科目で履修可能な科目は同時に履修しておくことを勧めます。
○評価方法
出席状況(30%)、レポート(70%)
原則としては、7月中に本講義で説明した内容をもとにした課題についてのレポートを提出してもらう予定。(ただし、受講生が多い場合は、筆記試験になる可能性がある。)
○テキスト
毎回の講義において、図やキーワードを主体にしたレジュメを配布する予定ですが、講義に出てこない限りよく分からない内容になっています。受講生は、講義にはできるだけ出席してください。
○参考書
新井誠『信託法(第2版)』有斐閣 2005年
能見善久『現代信託法』有斐閣 2004年
新井誠 編著『信託ビジネスのニュートレンド』経済産業調査会 2005年
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1信託をめぐる現状
-今、信託がなぜ注目されているのか(経済的・社会的ニーズ)
2信託の歴史と信託理論
3信託とは何か -信託の基本構造
4信託の設定・目的
5信託財産ならび受託者の地位について
-信託財産の独立性、受託者義務
6受益者・委託者・信託管理者
-それぞれの権利・義務
7信託の変更と終了
8公益信託について
9信託業法 -改正の経緯と概要
10信託法改正 -信託法改正のポイント
11信託の活用と将来(1)
-資産流動化における信託機能の役割について
12信託の活用と将来(2)
-知的財産と信託
13信託の活用と将来(3)
-福祉と信託

  

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