2006年度上智大学シラバス

2006/02/03更新
◆宗教社会学Ⅰ - (前)
芳賀 学
○科目サブタイトル
近代日本におけるアイデンティティと新宗教
○講義概要
この講義では,宗教という現象を取り上げ、社会学的な考察を試みる。具体的には,まず、「自分が何者であり,どのように生きていくべきか」というセルフ・アイデンティティとその維持や変更のプロセスについて概説し、宗教を基本的にアイデンティティ維持のための社会的装置として位置づける。そして、その後、日本社会の近代化(幕末明治維新期から高度経済成長期まで)の中で、新宗教が全体として勢力を急激に拡大していく歴史をたどり、その背後に人々の暮らし方や考え方のどのような変化があったのか、そのメカニズムをビデオ等を時に交えて取り扱うこととする。このことを通じて、宗教と社会とが持つ密接な結びつきについて理解を深めることを目指す。
○評価方法
リアクションペーパーと持ち帰り型のテストとの総合評定で行う。
○テキスト
なし
○参考書
井上順孝『新宗教の解読』ちくま学芸文庫,1996年
大村英昭・西山茂編『現代人の宗教』有斐閣,1988年
井上順孝・孝本貢・対馬路人・中牧弘允・西山茂編『新宗教事典』弘文堂,1990年
○必要な外国語
特になし
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1イントロダクション
2セルフ・アイデンティティとその揺らぎ
3認知的不協和の理論と不幸の神義論
4アイデンティティの社会性
5アイデンティティ維持装置としての宗教
6新宗教とは何か(1)教団ライフサイクル説
7   〃   (2)思想
8   〃   (3)組織・信者・活動
9新宗教と近代化(1)幕末・明治維新期
10   〃   (2)大正・昭和初期
11   〃   (3)敗戦・高度経済成長期
12   〃   (4)近代化の気密室としての新宗教
13まとめ

  

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