2006年度上智大学シラバス

2006/02/24更新
◆社会学演習Ⅱ - (後)
井腰 圭介
○講義概要
この演習の目的は、古典を丹念に読むことを通して、社会学的思考法の基礎を修得することにある。特に社会学演習Ⅱでは、古典が含む「ものを見る眼」としてのパースペクティヴの意味と働きを、資料操作の仕方に焦点を当てて学ぶことにしたい。具体的には、受講者に馴染みのあるヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の"精神"』を理解社会学の手法の実例として読み解きながら、身近な類似した資料を操作する実習を試みることを予定している。こうした作業を交えながら古典を読むことで、社会学「を」学ぶ態勢だけではなく、社会学「で」考える態勢を刺激することにしたい。
○評価方法
出席状況(10%)、授業参画(50%)、レポート(40%)
担当者がレジュメを作成して口頭報告をし、議論する形で進める。実際に読み解く作業が演習の内実なので、参画度が評価の柱になる。参加度は、主として毎回授業の最後に提出を求める短いコメントで把握する。講読文献と担当者を決めるので、受講希望者は2回目までに必ず参加すること。
○テキスト
『テキストは受講者数や関心などの状況に応じて検討し、初回に確定する。授業計画に記載した文献は、その意味で暫定的なものである。』
○参考書
『開講時にプリントにして紹介する。』
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1演習の狙いと進め方
 ①資料操作に注目して古典を読む目的
 ②文献の概要紹介と確定及び分担決定(以下で示す文献は一例)
2ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の"精神"』の意義
 ①ヴェーバー社会学の特徴
 ②著作の概要と古典的意義/「序言」
3第1章-1 「信仰と社会層」の講読
①報告
 ②討論
4第1章-2(1)「資本主義の『精神』」の講読
 ①報告 
 ②討論
5第1章-2(2)「資本主義の『精神』」の講読
 ①報告
 ②討論
6第1章-3 「ルッターの天職概念」の講読
 ①報告
 ②討論
7中間総括
 ①資料操作からみた理解社会学の特徴と概念の働き
 ②資料から"精神"を構成する実習
8第2章-1(1)「世俗内禁欲の宗教的諸基盤」の講読
 ①報告
 ②討論
9第2章-1(2)「世俗内禁欲の宗教的諸基盤」の講読
 ①報告
 ②討論
10第2章-1(3)「世俗内禁欲の宗教的諸基盤」の講読
 ①報告
 ②討論
11第2章-2(1)「禁欲と資本主義精神」の講読
 ①報告
 ②討論
12第2章-2(2)「禁欲と資本主義精神」の講読
 ①報告
 ②討論
13全体総括
 ①経験科学としての社会学的思考法のもつ特徴と意義
 ②『プロ倫』の今日的意義

  

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