2006年度上智大学シラバス

2006/02/22更新
◆国文学特講Ⅵb - (後)
阿毛 久芳
○科目サブタイトル
中原中也の表現世界を読む
○講義概要
『山羊の歌』から『在りし日の歌』に至る中原中也の詩の軌跡を考察する。
特に近代詩における〈歌〉の問題が、中原中也の詩においてはどうであったのかを核において講義したい。
『新編 中原中也全集』(全5巻・別巻)が充実しているので、適宜活用し、資料の先の問題を考えたい。
レアクションペーパーはむしろ事前に読んで気づいたり、感じたり、考えた事柄を記してもらい、授業参画の推進力とすることを考えている。
○評価方法
出席状況(10%)、授業参画(10%)、リアクションペーパー(30%)、レポート(50%)
○テキスト
『中原中也詩集』(岩波文庫 840円)
○参考書
『特集 中原中也』(『ユリイカ』2000・6)、『中原中也研究〈近代作家研究叢書〉』(日本図書センター)、青木健『年表作家読本 中原中也』(河出書房新社)、大岡昇平『中原中也』(講談社文芸文庫)、『現代詩読本 中原中也』(思潮社)、『評伝 中原中也』(東京書籍OD版)
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1〈講義についてのガイダンス〉本講義の目標、講義方法、留意点についての説明。使用するテキストについての一般的な注意。中原中也の活動についての説明。
2『山羊の歌』の「初期詩篇」の解読(Ⅰ)。
ダダイズムとの関係
3『山羊の歌』の「初期詩篇」の解読(Ⅱ)。
韻律の問題―「詩と其の伝統」(1934)
4『山羊の歌』の「少年時」詩篇の解読。
時間を遡る―蘇ってくる時間
5『山羊の歌』の「みちこ」詩篇の解読。
恋愛詩の問題
6『山羊の歌』の「秋」詩篇の解読。
生と死
7『山羊の歌』の「羊の歌」詩篇の解読。
「ゆふがた、空の下で、身一点に感じられれば、……」
8『在りし日の歌』の「在りし日の歌」詩篇の解読(Ⅰ)。
「芸術論覚え書」(1934・12~1935・3推定)の問題
9『在りし日の歌』の「在りし日の歌」詩篇の解読(Ⅱ)。
10『在りし日の歌』の「在りし日の歌」詩篇の解読(Ⅲ)。
11『在りし日の歌』の「永訣の秋」詩篇の解読(Ⅰ)。
文也の死をめぐって、狂想とは。
12『在りし日の歌』の「永訣の秋」詩篇の解読(Ⅱ)。
『在りし日の歌』が歌ったものとは。
13本講義のまとめ

  

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