2006年度上智大学シラバス

2006/02/24更新
◆国文学特講Ⅱa - (前)
三田村 雅子
○科目サブタイトル
『とはずがたり』の文化史ーー衣と贈与をめぐってーー
○講義概要
中世女性日記文学として有名な『とはずがたり』を読みながら、後深草院二条という一人の女性の身体を通じて描き出された歴史と文化の様相をたどっることを目標とする。後嵯峨天皇の二人の息子後深草院と亀山院の間に入って翻弄される二条のありようを読み解くことで、王権をめぐる権力のせめぎ合いの諸相を解読し、性そのものが、贈与と交換の論理によって成り立っていることを、衣装の贈与と放棄の問題から読んでいきたい。
○評価方法
出席状況(30%)、リアクションペーパー(20%)、前期学期末試験(授業期間中)(50%)
○テキスト
新潮古典集成「とはずがたり」
福田秀一『とはずがたり』 新潮古典集成
○他学部・他学科生の受講

○授業計画
1後嵯峨院の時代
2後深草院との結婚と二人の男性
3西園寺実兼と「雪の曙」
4妊娠と出産
5宴の盛り立て役として
6「有明の月」との関係
7女楽
8衣装の獲得とその代償
9衣装の空洞化・北山准后九十賀の問題点
10衣装の放棄
11衣装の供養
12衣装への愛執と解脱
13期末試験

  

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